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早稲田教育学部 2019問題2
【大問2 読解問題】
次の英文を読み、設問1から10に答えよ。答えはa~dから1つずつ選べ。なお段落番号は【 】内の数字で示した。
【1】 In 1862, the British newspapers were buzzing with news of a royal wedding – (1)of sorts — that was unlike any other that people could remember. The bride was goddaughter and ward of Queen Victoria - newsworthy in itself. But the fact that Sarah Forbes Bonetta was a black woman, elevated the event to something sensational.
【2】 It seemed the chattering classes were fascinated not just by the bride herself, but by the presence of so many black guests at the church in Brighton where they wed. There were, one newspaper exclaimed, "white ladies with African gentlemen, and African ladies with white gentlemen, until all the space was filled”.
【3】 Even today, people remain fascinated. “Will Meghan Markle's mother be displaying her dreadlocks in Windsor?” one commentator asked. What else would she do, I thought? It's hard to forget about Meghan's mother's hair, because when news of the royal engagement was first broadcast, the newspapers kept discussing it. There were also questions about whether Harry would be popping in for tea in "gang-scarred” Compton — the LA neighbourhood where Meghan grew up, and the description of Markle's blood as "exotic".
【4】 Sometimes it almost feels as if it could still be the 1860s, when the British press pulled off a similarly ironic feat of congratulating itself for being so tolerant as to allow "natives of a distant continent" at an English wedding, all the while banging on about “Negroes” this and “civilisation” that — fairly good evidence that the couple's race was, most definitely, an issue.
【5】 When Meghan and Harry's wedding was announced, I was surprised by the need to explain that she will not be the world's first black or brown princess. Apart from England's own potential precedents, it had not occurred to me that anyone needed reminding of the countless kingdoms, empires and royal families that have existed and survive across the world in places where people are not white. But in Britain, it seems, a princess — or a duchess, as Meghan Markle will be — is still regarded as something intrinsically to do with whiteness.
【6】 I have no idea whether she — or anyone — can truly be prepared for the realities of the institution she is entering. But Meghan has already done so much for us. She has served as a key to unlocking things in our own society that (2)have remained hidden in plain sight. The long history of blackness in Europe that is now finally becoming mainstream. The personal experiences of race and identity that other high-profile people in this country so often (3)shy away from discussing, but which she has so openly addressed.
【7】 “While my mixed heritage may have created a grey area surrounding my self-identification, keeping me with a foot on both sides of the fence, I have come to embrace that,” she has explained. For myself, growing up as a mixed-race woman in a part of Britain where that placed me firmly in the minority, Meghan's tales of the awkwardness growing up the mixed girl in a white neighbourhood were powerfully resonant with my own.
【8】 I am not alone in (4)relating. Britain has the greatest number of interracial relationships of any country in western Europe, and a rapidly growing mixed-race population. As the face of Britain changes, would it have been sustainable for the Royal family to remain, as they largely have been in recent years, an entirely white institution?
【9】 We all project ourselves on to the Royal family. In one sense, that is their role. They are symbols of who we are as a nation, arbiters of belonging and, for some people, love for them is a test of patriotism and commitment. At the same time, they are a blank canvas on to which we, as British people, paint our feelings, fantasies, fears and identities.
【10】 There is no escaping the significance of this royal wedding, whether as historic journey into the ritual of British pageant and tradition, joyous statement against British isolationism, declaration of the irrelevance of a divorce — the legacy of Wallis Simpson redeemed — a radical step towards diversity and a true reflection of modern romance, or even a simple party to warm the heart of troubled Brexit Britain. This royal wedding will be whatever you want it to be, but the one thing it is is unparalleled.
Afua Hirsch. The Meaning Of Meghan.
1 下線部(1)の意味として最もふさわしいものを選べ。
a. あらゆる種類の
b. 正真正銘の
c. ある種の
d. 劣悪な
2 段落【2】で、結婚式への大方の反応と思われるものは次のどれか。最もふさわしいものを選べ。
a. 花嫁にばかり目を奪われた。
b. 花嫁だけでなく、式の会場に集った黒人の出席者たちにも目を奪われた。
c. 花嫁そっちのけで、黒人の列席者にばかり注目した。
d. 花嫁にも黒人の列席者にも関心を示さなかった。
3 段落【4】で、1860年代の英国メディアが取った姿勢は次のどれか。最もふさわしいものを選べ。
a. 新郎新婦の人種など、いっさい問題にしなかった。
b. 新郎新婦の人種を、あからさまに問題にした。
c. 有色人種に寛大な態度を示すことで自己満足に浸る以上のことはしなかった。
d. 有色人種に寛大な態度を示して自己満足に浸りつつ、裏では人種問題などを執拗に追求した。
4 段落【5】までの内容と合致するものを選べ。
a. ロイヤル・ウェディングを経験する有色人種の女性はメーガン・マークルが世界初である。
b. 今回のロイヤル・ウェディングを機に、英国王室の白人至上主義は消滅するだろう。
c. 英国王室をめぐっては、白人至上主義的な傾向が依然として残っているように思われる。
d. 有色人種の女性のロイヤル・ウェディングは、英国でこれまでもたびたび行われてきた。
5 下線部(2)の意味として最もふさわしいものを選べ。
a. よく見えていながら誰も気づかなかった。
b. 視力の低い人には見えなかった。
c. ありふれた景色の中に隠されてきた。
d. 平凡な光景なので誰も気づかなかった。
6 下線部(3)の意味として最もふさわしいものを選べ。
a. 遠くからこっそり窺う。
b. 恥ずかしさのあまり逃げ出す。
c. 尻込みする。
d. 果敢に挑戦する。
7 段落【7】の内容と合致するものを選べ。
a. 筆者はメーガン・マークルと境遇が似ており、共感を覚えている。
b. 筆者はメーガン・マークルと境遇は似ているものの、あまり共感は覚えていない。
c. メーガン・マークルは自分の置かれた状況を最後まで受け入れることができなかった。
d. メーガン・マークルは自己のアイデンティティに曖味なものを感じたことは一度もなかった。
8 下線部(4)と同様の意味で relate が用いられている文は次のどれか。最もふさわしいものを選べ。
a. This type of writer relates the personal to the supra-personal, or social.
b. The point I'm making now relates to what I said before.
c. She related the events of the previous week to the police
d. I often wake up very early — I'm sure most people over 50 can relate.
9 段落【9】の内容と合致しないものを選べ。
a. 王室は英国国民が自分自身を投影する鏡のような存在である。
b. 王室は英国国民が自分の思いの丈やアイデンティティを描き出す、真っ白なキャンバスである。
c. 王室は英国国民のありようを、象徴するような存在である。
d. 王室は英国国民に愛国心を抱き、忠誠を誓うことを求めている。
10 筆者がメーガン・マークルの先駆的な存在として、本文中で引き合いに出している人物は誰か。
a. Queen Victoria
b. Sarah Forbes Bonetta
c. Wallis Simpson
d. Meghan's mother
早稲田教育学部 2019問題2 解答
【大問2 適語補充 解答】
1 c
2 b
3 d
4 c
5 c
6 c
7 a
8 d
9 d
10 b
早稲田教育学部 2019問題2 解説
【大問2 適語補充 解説】
説明文。長文を読み進めながら適語補充し、まとめて内容理解が問われます。大問2から大問5までは同じ出題形式となります。文章内容は、英国のロイヤルウェディング(王室結婚)の文化について、分析した記事です。
【重要表現】
goddaughter and ward of Queen Victoria: キリスト教で、生まれた女の子の洗礼式に立ち会って名を与え、宗教上の母親として教育を受け持つ役割を果たすのがgodmother、その子供をgoddaughter (or godchild)と呼ぶ。通常女子には女性の、男子には男性(godfather and godson,godchild) の名付け親が付く。転じて未成年者を後援育成する人を指す。wardとは後援を受けている未成年者、被後見人。
ward ワード 被後見人 意味解説例文
Sarah Forbes Bonetta: サラ・フォーブス・ボネッタ⁽1843年ー1880年8月15日)は西アフリカのエグバド族の王族であったが、7歳の時、部族間の争いで両親を失い、奴隷として捕らえられた。英国海軍のキャプテン・フレデリック・フォーブスにより助け出され(彼女のファミリーネームであるフォーブスは彼の名前から、ボネッタは軍艦ボネッタから来ている)英国に渡った後、大英帝国ビクトリア女王に聡明さを認められ、名目上の親子関係を結んで教育を受けることができた。後にラゴスの裕福なキャプテン・ジェイムズ・ラビュロウ・デイヴォーズと結婚するが、ビクトリア女王との親交は生涯続いた。
the chattering classes: Educated middle-class people who like to discuss and have opinions about recent events and situations in society. ( ロングマン現代英英辞典より)最近の出来事や社会情勢について意見を持つ議論好きで教育を受けた中産階級のこと。政治評論家やコメンテーターなどがこうした人々について軽蔑的に用いる表現。
Wallis Simpson: ウォリス・シンプトン⁽1896年6月19日-1986年4月24日)はウインザー侯爵エドワードの妻⁽ウインザー侯爵夫人)。イギリス国王エドワード8世は、出会った当初は人妻であったこのアメリカ人女性との結婚のために、王位を捨ててウインザー侯爵となった。
早稲田教育学部 2019問題2 完成文
制作中
早稲田教育学部 2019問題2 全訳
【大問2 適語補充 全訳】
【1】
1862年、イギリスの新聞は、ロイヤル・ウエディングの一種とも言えるある結婚について騒ぎ立てていた。それは人々が思い出せるどんなロイヤル・ウエディングとも違っていた。花嫁はビクトリア女王の名づけ子で被後見人であって、それ自体がニュースに値するものであった。しかし花嫁サラ・フォーブス・ボネッタが黒人であるという事実が、この出来事をセンセーショナルなものへと押し上げていた。【2】
チャタリング・クラスは、花嫁自身に留まらず、結婚式を挙げたブライトンの教会に非常に多くの黒人客がいることに引き付けられたようだ。ある新聞は「アフリカの紳士を伴った白人の淑女、白人紳士を伴ったアフリカの淑女でスペースは埋め尽くされた」と叫んだ。【3】
今日でも人々は相変わらず同じことに興味をそそられている。 「メーガン・マークルの母親はウィンザーにドレッドヘアを晒すのだろうか」と、あるコメンテーターは尋ねた。一体彼女が他にどうするっていうのだ、と私は思った。王室の婚約のニュースが最初に放送された時、新聞がそのことを議論し続けていたので、メーガンの母親の髪について忘れる事は難しい。また、メーガンが育ったロサンゼルス近隣のコンプトンはギャングの爪痕の残る町で、そこにハリーがひょっこりお茶を飲みに現れたりするのだろうか、という問いもあった。マークルの血を「エキゾチック」と表現することもあった。【4】
英国のマスコミが、イングランドの結婚式に「遠い大陸の原住民」を受け入れるほど自分たちは寛大なのだと自讃しながら、一方で「ネグロ」がどうの「文明」がどうのと、しつこく述べ続けるという、あのまた同じような皮肉な偉業をやり遂げているのを目にすると、いまだ1860年代にいるのかと感じてしまう。このカップルの人種が、間違いなく問題になっているという相当な証拠である。【5】
メーガンとハリーの結婚が発表された時、私は、彼女が黒か茶色の肌を持つ世界初のプリンセスではないと説明しなければならないことに驚いた。イングランドに前例があったかどうかは別として、白人以外の人種がいる世界中のいたるところに、これまでずっと存在し続けてきて今も存在する数えきれないほどの王国や帝国、王室があるということを誰かが思い出させなくてはならないとは考えもしなかった。しかし、英国では、プリンセスーまたはメーガン・マークルがそうなるように公爵夫人ーは、いまだ本質的に白人であることと関係があるものとみなされているようだ。【6】
彼女が入ろうとしている王室という機関の現実に対して、彼女がーあるいは他の誰であってもー真に備えられるのかどうかはわからない。しかし、メーガンはすでに多くのことを成し遂げた。彼女は、私たち自身の社会のありふれた風景の中に隠れているものを解き放つ鍵としての役割を果たした。ヨーロッパで黒人であるという長い歴史がついに主流になろうとしている。この国の他の著名な人々がしばしば議論を避けてきた人種やアイデンティティについての個人的な経験を、彼女は公然と表明した。【7】
「私が混血として受け継いだものは、私のアイデンティティーの周りにグレイゾーンを作り出し、その垣根の両側にひとつずつ足を置いたままになっているのかもしれないが、それを大切に受け入れるようになった」と彼女は説明した。イギリスのある場所で混血の女性として成長し、そのことでマイノリティーに固定されてしまった私にとって、白人の隣人の中で混血の少女として育ったメーガンの居心地の悪さについては、大いに共感するものがあった。【8】
関係しているのは私一人ではない。英国は西ヨーロッパのどの国よりも多く異人種間の関係が進み、混血人口が急速に増加している。英国の顔が変化するにつれて、近年王室が完全に白人の機関となってきたように、そのままの状態に留まって維持していくことができたのだろうか。【9】
私たちは皆、王室に自分自身を投影している。ある意味それが彼らの役割なのだ。彼らは私たちが国家として何者なのかという象徴であり、帰属の調停者であり、一部の人々にとって、彼らへの愛は愛国心とコミットメントのテストである。同時に、彼らはイギリス人として私たちの感情、空想、恐怖、アイデンティティを描く空白のキャンバスでもある。【10】
英国のページェントと伝統の儀式への歴史的な旅であろうと、英国の孤立主義に反する喜びの声明であろうと、また離婚の不適切さについての宣言ーウォリス・シンプトンのレガシーは贖われたーであろうと、多様性に向かう革新的な一歩で現代のロマンスの真実の反映であろうと、またたとえブレグジットで混迷する英国の心を和ませるシンプルなパーティーであろうと、このロイヤル・ウエディングの重要性から逃れることはできない。このロイヤル・ウエディングは、あなたが望む何物にでもなる。けれどもひとつ確かなことは、唯一無二のものであるということなのだ。アフア・ハーシュ。メーガンの意味。
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