敬語法 敬語名詞(けいごめいし)

敬語法 敬語名詞(けいごめいし)

敬語法 敬語名詞(けいごめいし)

敬語法 敬語名詞(けいごめいし)

古典文法の敬語法で、敬語名詞(けいごめいし)の解説です。敬語名詞の種類・意味を、学習します。

敬語名詞とは、名詞そのものに、敬意が表現され、大切な存在であると暗示します。敬語名詞は、敬称(けいしょう)とも呼ばれます。

例えば、敬語名詞「上達部(かんだちめ)」は、従三位以上の貴族を意味し、文章中で敬意を払うべき存在として描かれます。

例えば、敬語名詞「中宮(ちゅうぐう)」は、帝の妃を意味し、文章中で敬意を払うべき存在として描かれます。


古文では、同じ文章内で、敬語は統一して用いられます。敬語名詞を用いる対象には、同じように、敬語動詞や敬語補助動詞も用います。文章の途中で、いきなり敬語が用いられたり、いきなり用いられなくなったりはしません。



【古文 敬語名詞 まとめ】


位階敬称かな解説
皇族大王おおきみ奈良時代以前の天皇
皇族みかど天皇
皇族太上天皇たいじょうてんのう上皇のこと
皇族皇太子こうたいし皇位継承者の第一位
皇族親王しんおう男性の皇位継承者
皇族内親王ないしんおう女性の皇位継承者
後宮中宮ちゅうぐう帝の妃
後宮皇后こうごう帝の妃
貴族朝臣あそん貴族の第一位
貴族大臣おとど
貴族公卿くぎょう従三位以上の貴族
貴族上達部かんだちめ従三位以上の貴族
貴族あて貴族のこと
貴族殿との貴族のこと
貴族かみ国司のこと
貴族つかさ役人のこと
神職神仏しんふつ神や仏のこと
神職禰宜ねぎ神主のこと
神職斎宮さいぐう巫女のこと
空間みやこ国の中心のこと
空間きょう都市のこと
空間内裏うち天皇のお住い
空間御幸みゆき天皇のご旅行先


敬語の対象は、皇族・後宮・貴族・神職・空間があります。




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【科目】


古文(古典)


【領域】


古文文法(こぶんぶんぽう)


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敬語名詞 皇族(こうぞく)



【敬語名詞 皇族】


皇族(こうぞく)とは、天皇の一族のことです。

皇族は、すべての社会階層から、敬語を用いて、描写されます。

例えば、皇族である「大王」や「帝」は、すべての文章で、敬語を用いて描写されます。



【敬語名詞 大王】


大王(おおきみ)とは、奈良時代以前の最高権力者の敬称です。例えば、大王は、万葉集の和歌で、敬語を用いて描写されています。日本史では、大和王権(やまとおうけん)の最高権力者として紹介され、言わば、天皇の原型となった存在です。



【敬語名詞 帝】


帝(みかど)とは、平安時代以降の天皇の敬称です。例えば、帝は、竹取物語で、敬語を用いて描写されています。現代日本では、日本国憲法により天皇(てんのう)という敬称が用いられていますが、古典日本語では帝(みかど)という敬称が用いられていました。



【敬語名詞 太上天皇】


太上天皇(たいじょうてんのう)とは、譲位した元天皇への敬称です。日本史では、上皇(じょうこう)という敬称も用いられます。「上皇」とは、太「上」天「皇」のことです。



【敬語名詞 親王】


親王(しんおう)とは、皇位継承者のことで、いわゆる皇族の嫡出子(ちゃくしゅつし)への敬称です。帝からの親王宣下(しんのうせんげ)により、正式に親王となります。西欧ではプリンス(prince)に相当します。和歌の詠人として「〇〇親王」と表記される場合もあります。



【敬語名詞 内親王】


内親王(ないしんおう)とは、女性の皇位継承者のことで、いわゆる女性の親王への敬称です。帝からの親王宣下(しんのうせんげ)により、正式に親王となります。日本史では、卑弥呼(ひみこ)や推古天皇(すいこてんのう)や持統天皇(じとうてんのう)のように、政情不安を背景に、皇位を女性が継承し、派閥対立を避ける傾向が見られます。



敬語名詞 後宮(こうきゅう)



【敬語名詞 後宮】


後宮(こうきゅう)は、中国の皇帝の妃(きさき)の居住空間のことでした。山城の国(現在の京都府)に、平安京を建立した時に、中国の唐の都市を参考にしました。後宮も、同様の敬称として継承されましたが、時代が下るに連れて、内裏(うち)と呼ばれるようになりました。海外から摂取した文化を、日本列島に合うようにゆっくりと改良していく傾向が、すでに見て取れます。

平安時代には、権力の維持は、血統に負うところが大きく、帝と女性が出会う後宮は、特別な場所でした。平安京の後宮制度によって、権力を掌握したのが、藤原氏です。藤原氏の摂関政治は、後宮支配と並立し、源氏物語の背景となりました。

後宮は、貴族や神職から、敬語を用いて、描写されます。

例えば、「皇后」や「中宮」は、すべての文章で、敬語を用いて描写されます。



【敬語名詞 皇后】


皇后(こうごう)とは、後宮の第一位への敬称です。現代日本でも、皇室典範(こうしつてんぱん)により、皇后という敬称は用いられています。平成においては美智子皇后、令和においては雅子皇后と、報道されています。



【敬語名詞 中宮】


中宮(ちゅうぐう)とは、皇后と比する存在として、藤原一族により採用された敬称です。現代の皇室典範においては、消滅しています。中宮には「啓す(けいす)」という特別な謙譲語を用います。中宮である定子(ていし)に仕えた清少納言は、枕草子で平安時代の後宮生活を描いています。



【敬語名詞 女御】


女御(にょご)とは、後宮の第二位以下への敬称です。皇位継承権においては、皇后に劣りますが、各自の部屋を与えられる存在でした。



【敬語名詞 更衣】


更衣(こうい)とは、女御よりもさらに下の位階への敬称です。源氏物語の主人公である光源氏の母は、桐壺の更衣(きりつぼのこうい)と呼ばれ、中下級貴族の出身でありながら、帝から寵愛を一身に注がれました。その結果、他の後宮の女性たちから、嫉妬される描写があります。



敬語名詞 貴(あて)



【敬語名詞 貴】


貴(あて)は、古典世界の貴族のことです。「貴なるもの」という表現もよく用いられています。

日本の貴族制度は、603年、聖徳太子により冠位十二階の制(かんいじゅうにかいのせい)が定められ、その後、701年、天武天皇により大宝律令(たいほうりつりょう)が定められ、原型が完成しています。その後、実情に応じて、令外官(りょうげのかん)として、さまざまな役職が創設されていきました。明治時代になると、華族制度として改称されました。

貴は、位階によって、敬語を用いるかどうかが、判断されます。

例えば、「少納言」へは、文章によって、敬語を用いる場合と、敬語を用いない場合があります。



【敬語名詞 朝臣】


朝臣(あそん)とは、天皇の臣下第一位への敬称です。天智天皇とともに戦った中臣鎌足は、朝臣の位階を授けられ、中臣鎌足の子孫である藤原道長も、自らを藤原朝臣道長(ふじわらのあそんみちなが)と名乗りました。



【敬語名詞 大臣】


大臣(おとど)とは、最上級の役人への敬称です。現代日本語では「だいじん」と読みます。日本国憲法では、各省庁には大臣が任命するよう規定されています。



【敬語名詞 公卿】


公卿(くぎょう)とは、従三位以上の貴族への敬称です。時代によって範囲に揺らぎありますが、現代日本語における「幹部」や「重役」に相当します。



【敬語名詞 上達部】


上達部(かんだちめ)とは、従三位以上の貴族への敬称です。時代によって範囲に揺らぎありますが、現代日本語における「幹部」や「重役」に相当します。



【敬語名詞 守】


守(かみ)とは、国司への敬称です。例えば、土佐の国(現在の高知県)の国司は、土佐守(とさのかみ)と呼ばれました。



【敬語名詞 司】


司(つかさ)とは、役人への敬称です。例えば、酒造司(みきのつかさ)は、お酒を製造する役人のことです。


敬語名詞 神仏(しんふつ)



【敬語名詞 神仏】


神仏(しんふつ)は、古典世界の信仰対象のことで、神道と仏教にまつわるものです。

神仏は、位階によって、敬語を用いるかどうかが、判断されます。

例えば、「お地蔵さま」へは、文章によって、敬語を用いる場合と、敬語を用いない場合があります。



【敬語名詞 禰宜】


禰宜(ねぎ)とは、神社の管理人への敬称です。現代日本語では神主(かんぬし)とも呼ばれています。神事(しんじ)を司ります。



【敬語名詞 斎宮】


斎宮(さいぐう)とは、女性の巫女(みこ)への敬称です。万葉集には、伊勢神宮の斎宮の和歌が収録されています。現代日本語でも巫女(みこ)という敬称が、継承されています。



敬語名詞 空間(くうかん)



【敬語名詞 空間】


空間(くうかん)は、古典世界で敬意を払われています。現代日本語では「聖地」に相当し、敬語を用います。

例えば、「神社」や「お寺」へは、「行く」ではなく、謙譲語の「参る」を用います。



【敬語名詞 都】


都(みやこ)とは、国家の中心への敬称です。明治維新の遷都まで、「都」といえば、京都を指していました。現代日本では「都」といえば、東京都のことです。「都へ行く」とは言わずに、「都へ上る(みやこへのぼる)」と言います。「都から出る」とは言わずに、「都から下る(みやこからくだる)」と言います。



【敬語名詞 京】


京(きょう)とは、平安京への敬称です。「京へ行く」とは言わずに、「京へ上る(きょうへのぼる)」と言います。「京から出る」とは言わずに、「京から下る(きょうからくだる)」と言います。ちなみに、「京」の字は、中国の北京・南京や、韓国の京畿道などでも用いられ、東アジア文化圏の共通漢字となっています。



【敬語名詞 内裏】


内裏(うち)とは、天皇のお住いへの敬称です。文章によっては内裏(だいり)と読む場合もありますが、古文授業では内裏(うち)と読んで、大丈夫です。現代日本語では、御所(ごしょ)とも呼びます。



【敬語名詞 御幸】


御幸(みゆき)とは、皇族のご旅行先への敬称です。文章によっては御幸(ぎょうこう)と読む場合もありますが、古文授業では御幸(みゆき)と読んで、大丈夫です。現代日本語では、皇室御用達(こうしつごようたし)とも呼びます。伊勢神宮(いせじんぐう)は、江戸時代の小説では「お伊勢様(おいせさま)」と呼ばれています。



敬語名詞 問題



【古文 敬語名詞 まとめ】


以下の敬語名詞の読みを答えなさい。

位階敬称かな解説
皇族大王おおきみ奈良時代以前の天皇
皇族     天皇
皇族太上天皇     上皇のこと
皇族皇太子     皇位継承者の第一位
皇族親王     男性の皇位継承者
皇族内親王     女性の皇位継承者
後宮中宮     帝の妃
後宮皇后     帝の妃
貴族朝臣     貴族の第一位
貴族大臣     
貴族公卿     従三位以上の貴族
貴族上達部     従三位以上の貴族
貴族     貴族のこと
貴族殿     貴族のこと
貴族     国司のこと
貴族     役人のこと
神職神仏     神や仏のこと
神職禰宜     神主のこと
神職斎宮     巫女のこと
空間     国の中心のこと
空間     都市のこと
空間内裏     天皇のお住い
空間御幸     天皇のご旅行先





【敬語名詞 問題記述】


問題:平安時代に、敬語はどのような対象に用いられましたか。

記述:平安時代に、敬語は皇族・後宮・貴族・神職・空間に、用いられました。

皇族の最高権力者は、奈良時代以前は大王(おおきみ)と呼ばれ、平安時代以降は     と呼ばれ、現代日本語では日本国憲法により天皇(てんのう)と呼ばれます。皇族のうち、男性の皇位継承者を     と呼びますが、源氏物語では宮(みや)とも呼ばれています。皇族は、もっとも位階が高く、後宮や貴族は、皇族へ敬語を用います。

後宮は、天皇から寵愛される女性が住むところです。後宮には、女性独自の位階があり、摂関政治で権力の頂点に昇りつめた藤原氏は、娘たちを          として入内(にゅうだい)させました。源氏物語の主人公である光源氏(ひかるげんじ)の母親は、後宮では     という低い身分にも関わらず、天皇から寵愛されたので、他の女性から嫉妬される描写があります。江戸時代になると、武家将軍の後宮として、奥方(おくのかた)という敬称が生まれ、現代日本語の奥さん(おくさん)という敬称へ、変化していきます。貴族は、後宮へ敬語を用います。

貴族は、血統と役職により、位階が定まりました。血統とは、氏(うじ)のことで、藤原氏や蘇我氏が有名です。645年の大化改新(たいかのかいしん)で、天智天皇とともに戦った中臣鎌足は、     という位階を授けられ、中臣鎌足の子孫も用いています。役職とは、貴族の職務内容のことで、701年の大宝律令(たいほうりつりょう)により大枠が定められ、少しづつ整備されていきました。従三位以上の貴族は          と呼ばれ、現代日本語では「幹部」や「重役」に相当します。

貴族は、血統が良ければ、役職も良くなる傾向がありましたが、時代が進むにつれて、血統が良くとも、力量が足らなければ、役職を与えられない事例も増えていき、戦国時代になると     により、血統と役職は必ずしも一致しなくなりました。

神職(しんしょく)は、神道や仏教に関係があり、          などの人間だけではなく、お地蔵様や観音様などの神様にも、敬語を用います。現代日本語の     は、「年の初めに神に詣でる」という意味で、「詣でる」という敬語が用いられています。今昔物語やお伽草紙などの、一般庶民のための民話では、地域を守る聖なる動物にも、敬語を用いています。

空間は、特別な場所へ、敬語を用います。天皇のお住いである     は、江戸時代には禁中(きんちゅう)、現代では御所(ごしょ)と呼ばれています。皇族のご旅行先である     は、現代日本語でそのまま地名となっています。伊勢神宮(いせじんぐう)は、江戸時代の小説では「お伊勢様」と呼ばれています。

敬語の注目すべき機能は、身分の上下関係を定めるだけではなく、むしろ、相手の人格を尊重したり、物事を大切にする文脈でも、用いられることです。現代日本語においても、人間社会の権力関係だけでなく、大切にしたい気持ちとしても、敬語は用いられています。その意味で、敬語は、日本人の感性に影響を与えています。


敬語名詞 解答解説



【古文 敬語名詞 まとめ】


以下の敬語名詞の読みを答えなさい。

位階敬称かな解説
皇族大王おおきみ奈良時代以前の天皇
皇族みかど天皇
皇族太上天皇たいじょうてんのう上皇のこと
皇族皇太子こうたいし皇位継承者の第一位
皇族親王しんおう男性の皇位継承者
皇族内親王ないしんおう女性の皇位継承者
後宮中宮ちゅうぐう帝の妃
後宮皇后こうごう帝の妃
貴族朝臣あそん貴族の第一位
貴族大臣おとど
貴族公卿くぎょう従三位以上の貴族
貴族上達部かんだちめ従三位以上の貴族
貴族あて貴族のこと
貴族殿との貴族のこと
貴族かみ国司のこと
貴族つかさ役人のこと
神職神仏しんふつ神や仏のこと
神職禰宜ねぎ神主のこと
神職斎宮さいぐう巫女のこと
空間みやこ国の中心のこと
空間きょう都市のこと
空間内裏うち天皇のお住い
空間御幸みゆき天皇のご旅行先





【敬語名詞 問題記述】


問題:平安時代に、敬語はどのような対象に用いられましたか。

記述:平安時代に、敬語は皇族・後宮・貴族・神職・空間に、用いられました。

皇族の最高権力者は、奈良時代以前は大王(おおきみ)と呼ばれ、平安時代以降は帝(みかど)と呼ばれ、現代日本語では日本国憲法により天皇(てんのう)と呼ばれます。皇族のうち、男性の皇位継承者を親王(しんおう)と呼びますが、源氏物語では宮(みや)とも呼ばれています。皇族は、もっとも位階が高く、後宮や貴族は、皇族へ敬語を用います。

後宮は、天皇から寵愛される女性が住むところです。後宮には、女性独自の位階があり、摂関政治で権力の頂点に昇りつめた藤原氏は、娘たちを中宮(ちゅうぐう)皇后(こうごう)として入内(にゅうだい)させました。源氏物語の主人公である光源氏(ひかるげんじ)の母親は、後宮では更衣(こうい)という低い身分にも関わらず、天皇から寵愛されたので、他の女性から嫉妬される描写があります。江戸時代になると、武家将軍の後宮として、奥方(おくのかた)という敬称が生まれ、現代日本語の奥さん(おくさん)という敬称へ、変化していきます。貴族は、後宮へ敬語を用います。

貴族は、血統と役職により、位階が定まりました。血統とは、氏(うじ)のことで、藤原氏や蘇我氏が有名です。645年の大化改新(たいかのかいしん)で、天智天皇とともに戦った中臣鎌足は、朝臣(あそん)という位階を授けられ、中臣鎌足の子孫も用いています。役職とは、貴族の職務内容のことで、701年の大宝律令(たいほうりつりょう)により大枠が定められ、少しづつ整備されていきました。従三位以上の貴族は公卿(くぎょう)上達部(かんだちめ)と呼ばれ、現代日本語では「幹部」や「重役」に相当します。

貴族は、血統が良ければ、役職も良くなる傾向がありましたが、時代が進むにつれて、血統が良くとも、力量が足らなければ、役職を与えられない事例も増えていき、戦国時代になると下剋上(げこくじょう)により、血統と役職は必ずしも一致しなくなりました。

神職(しんしょく)は、神道や仏教に関係があり、禰宜(ねぎ)斎宮(さいぐう)などの人間だけではなく、お地蔵様や観音様などの神様にも、敬語を用います。現代日本語の初詣(はつもうで)は、「年の初めに神に詣でる」という意味で、「詣でる」という敬語が用いられています。今昔物語やお伽草紙などの、一般庶民のための民話では、地域を守る聖なる動物にも、敬語を用いています。

空間は、特別な場所へ、敬語を用います。天皇のお住いである内裏(うち)は、江戸時代には禁中(きんちゅう)、現代では御所(ごしょ)と呼ばれています。皇族のご旅行先である御幸(みゆき)は、現代日本語でそのまま地名となっています。伊勢神宮(いせじんぐう)は、江戸時代の小説では「お伊勢様」と呼ばれています。

敬語の注目すべき機能は、身分の上下関係を定めるだけではなく、むしろ、相手の人格を尊重したり、物事を大切にする文脈でも、用いられることです。現代日本語においても、人間社会の権力関係だけでなく、大切にしたい気持ちとしても、敬語は用いられています。その意味で、敬語は、日本人の感性に影響を与えています。


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