枕草子(まくらのそうし) 古典作品解説

枕草子(まくらのそうし) 古典作品解説

枕草子(まくらのそうし) 古典作品解説

枕草子(まくらのそうし) 古典作品解説

枕草子(まくらのそうし)は、平安時代の随筆(ずいひつ)で、清少納言(せいしょうなごん)の感性と文才により、宮中生活が描かれます。事物を鋭く観察する「ものの段」と、年中行事を記録する「日記の段」により構成されます。

【出典作品】

:枕草子

【さくひん】

:まくらのそうし

【作品別名】

:枕冊子

【作者編者】

:清少納言

【さくしゃ】

:せいしょうなごん

【成立時代】

:平安時代 > 摂関期

【作品形式】

:随筆

【出典紹介】

:枕草子(まくらのそうし)は、平安時代の随筆(ずいひつ)で、清少納言(せいしょうなごん)の感性と文才により、宮中生活が描かれます。事物を鋭く観察する「ものの段」と、年中行事を記録する「日記の段」により構成されます。古文文法を学びながら、古典文章に初挑戦したい生徒におすすめです。難易度は、初級です。日本の高校受験・大学受験でも出題されやすく、古典の王道作品です。

【魅力要素】

:感性・生活・服飾・儀式・仏教

【出題頻度】

:A


プロ家庭教師の古文教材で、指導歴10年以上の講師が執筆しています。

スポンサーさん

枕草子 百五十一段 うつくきもの


【枕草子】



【百五十一段 うつくきもの】




古文:うつくしきもの。

現代:愛らしいもの。


古文:瓜にかきたる児(ちご)の顔。

現代:(植物の)瓜に書きこみした、子供の顔。


古文:雀の子の、ねず鳴きするに、をどり来る。

現代:子供の雀(すずめ)が、ネズミの鳴き声がするのか、踊りながら来る。


古文:二つ三つばかりなる児の、急ぎて、はひ来る道に、

現代:二歳か三歳くらいの子供が、急いで、ハイハイで来る道に、


古文:いと小さき塵のありけるを、目ざとに見つけて、

現代:とても小さな塵(ちり)があって、目ざとく見つけて、


古文:いとをかしげなる指にとらへて、大人などに見せたる、いとうつくし。

現代:魅力的な指で捕まえて、大人たちに見せている(その姿が)、とても愛らしい。


古文:頭は尼そぎなる児の、目に髪のおほへるを、かきはやらで、うちかたぶきて、ものなど見たるも、うつくし。

現代:頭を尼そぎしている子供が、目に髪が掛かることを、払わないで、(身体を)傾けて、物事を見ている(その姿)も、愛らしい。


古文:おほきにはあらぬ殿上童の、さうぞきたてられて、ありくも、うつくし。

現代:大人になっていない貴族の子弟が、装束を着せられて、歩いているのは、愛らしい。


古文:をかしげなるちごの、あからさまにいだきて遊ばしうつくしむほどに、かいつきて寝たる、いとらうたし。

現代:魅力的な子供が、わずかに遊んで、可愛がっていたら、(そのまま)しがみついて寝ている、(その姿が)愛らしい。


古文:雛の調度。蓮の浮葉のいとちひさきを、池よりとりあげたる。葵のいとちひさき。なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし。

現代:雛祭りの家具調度(が愛らしい)。浮いている蓮葉で、とても小さい物を、池から取り上げたもの(が愛らしい)。葵のとても小さい物(が愛らしい)。どれもどれも、小さい物は、みな愛らしい。


古文:いみじうしろく肥えたるちごの二つばかりなるが、二藍のうすものなど、衣ながにてたすき結ひたるがはひ出でたるも、また、みじかきが袖がちなる着てありくも、みなうつくし。

現代:とても肉付きの良い子供で、2歳くらいの子供が、二藍のうすもの(という服装)などで、衣装が長くて、たすき結びして、ヨタヨタと出てくるのも、また、袖が短くなりがちに着て、歩いているのも、どれも愛らしい。


古文:八つ、九つ、十ばかりなどの男児の、声はをさなげにてふみ読みたる、いとうつくし。

現代:八歳か、九歳か、十歳ぐらいの男児の、声が幼げで、文章を読んでいる(その姿が)、とても愛らしい。


古文:にはとりのひなの、足高に、しろう、をかしげに、衣みじかなるさまして、ひよひよとかしがましう鳴きて、人のしりさきに立ちてありくもをかし。

現代:鶏の雛が、足が長く、白く、魅力的に、(あたかも)衣服が短いかのような様子で、ひよひよとやかましく鳴いて、人の前後に立って、歩いている(その姿が)、とても愛らしい。


古文:また親の、ともにつれてたちて、走るも、みなうつくし。

現代:また親(の鶏)が、一緒に連れだって、(雛が)走る(その姿が)、とても愛らしい。


古文:かりのこ。瑠璃の壺。

現代:雁(かり)や鴨(かも)などの水鳥(が愛らしい)。瑠璃の壺(が愛らしい)。

似ている記事
スポンサーさん