助動詞 推定のらし 接続意味活用

助動詞 推定のらし 接続意味活用

助動詞 推定のらし 接続意味活用

助動詞 推定のらし 接続意味活用

古典文法の助動詞で、推定の助動詞「らし」の解説です。助動詞「らし」の意味・接続・活用を、学習します。

助動詞(じょどうし)とは、用言の後におき、意味を追加する品詞です。助動詞「らし」は、推定の意味を、追加します。

例えば、動詞「行く」の後に、助動詞「らし」をおくと、「行くらし」となり、推定の意味が、追加されます。「行くらし」は、現代日本語では「行くようだ」と訳します。



助動詞は、接続します。接続(せつぞく)とは、前にある言葉に影響して、相手の活用語尾を変化させることです。

例えば、動詞「行く」の後に、助動詞「らし」をおくと、「行くらし」となり、「行く」が終止形に変化します。前の言葉を終止形にするので、助動詞「らし」は、終止形接続(しゅうしけいせつぞく)と呼びます。



助動詞は、活用します。助動詞「らし」は、「〇」「〇」「らし」「らし」「らし」「〇」と、活用します。無変化型です。




【古文助動詞 らし 活用表】


活用形語幹活用語尾識別方法
未然形ずを付ける
連用形てを付ける
終止形らし。を付ける
連体形らし物を付ける
已然形らしばを付ける
命令形!を付ける


古典日本語の助動詞「らし」は、現代日本語では助動詞「らしい」へと、継承されました。




プロ家庭教師の古文教材で、指導歴10年以上の講師が執筆しています。


【科目】


古文(古典)


【領域】


古文文法(こぶんぶんぽう)


【対応カリキュラム】


公立中学高校古典+大学受験古典


【教材プリントダウンロード 小テスト用】


古文小テスト 無料ダウンロード 一覧


【対象生徒】


大学受験生(国公立高校生+私立中高一貫校生)
高校受験生



【プロ家庭教師 依頼可能】


古文の文法対策講座を、プロ家庭教師に指導依頼できます。

スポンサーさん

助動詞 推定のらし 意味

推定の助動詞「らし」は、論理を根拠に推定するという意味が中心にあります。

例えば「水、流るらし」とあれば、「はっきりと姿は見えないが、状況から判断すると、水が流れると推定している」という意味です。ある意味では、科学的な推定といえるでしょう。

古典日本語の推定の助動詞「らし」は、現代日本語では、推定の助動詞「らしい」へと継承されました。


【助動詞 推定のらし 用法】


動詞動詞+助動詞らし意味
行く行くらし行くようだ
咲く咲くらし咲くようだ
見る見るらし見るようだ
形容詞形容詞+助動詞らし意味
おかしおかしかるらし趣深いようだ
わびしわびしかるらしわびしいようだ
とくとかるらし速いようだ
形容動詞形容動詞+助動詞らし意味
なのめらしなのめなるらしいい加減なようだ
自然たり自然たるらし自然なようだ



推定の助動詞「らし」は、原則は終止形接続ですが、ラ変型活用へ接続する場合は、例外で連体形接続となります。

ラ変型活用とは、終止形が「り」で終わるものと覚えておくとよいでしょう。

例えば、形容詞「おかしかり」はラ変型活用なので、終止形が「り」で終わるものです。

形容詞「おかしかり」へ、助動詞「らし」は連体形接続して、「おかしかるらし」とします。

詳しくは、「らし」の接続のところで、解説します。

なり・めり・らし 違い

なり・めり・らし 違い

なり・めり・らし 違い


3つの古典助動詞「なり・めり・らし」は、全て推定の意味を追加します。

3つの古典助動詞「なり・めり・らし」の違いは、どのような根拠で、推定するかです。


【助動詞 なり・めり・らし 違い】


助動詞根拠覚え方
なり聴覚音(ね)+あり
めり視覚目(め)+あり
らし論理現代日本語「らしい」へ継承



推定の助動詞「なり」は、聴覚を根拠に推定するという意味が中心にあります。

推定の助動詞「めり」は、視覚を根拠に推定するという意味が中心にあります。

推定の助動詞「らし」は、論理を根拠に推定するという意味が中心にあります。


古典日本語では、細かな心境を、助動詞で表現していたのですね。


古文の助動詞入門

古文の助動詞入門

古文の助動詞入門



【古文の助動詞入門】


古文の助動詞は、接続します。接続(せつぞく)とは、前にある言葉に影響して、相手の活用語尾を変化させることです。

例えば、推定の助動詞「らし」は、終止形に接続します。

動詞「行く」の後に、推定の助動詞「らし」をおくと、「行くらし」となり、「行く」が終止形に変化します。前の言葉を終止形にするので、推定の助動詞「らし」は、終止形接続(しゅうしけいせつぞく)と呼びます。


例えば、完了の助動詞「たり」は、連用形に接続します。

動詞「出づ」の後に、完了の助動詞「たり」をおくと、「出でたり」となり、「出づ」が連用形に変化します。前の言葉を連用形にするので、推定の助動詞「たり」は、連用形接続(れんようけいせつぞく)と呼びます。


接続は、用言(動詞・形容詞・形容動詞)にはなく、助動詞助詞にあります。



助動詞の接続 まとめ


接続助動詞
未然形接続らるさすむずましまほし
連用形接続けりたりけむたし
終止形接続まじめりなりらむらしベし
連体形接続なりたりごとし
特殊接続


いきなり覚えようとすると、お腹が一杯になってしまいますね。この表はあくまで参考として、助動詞は1つ1つ習得していくのがコツです。




【助動詞なり 2種類ある】


助動詞の「なり」は2種類あります。終止形接続のなり(推定のなり)と、連体形接続のなり(断定のなり)があります。



【助動詞り 特殊接続】


助動詞「り」は、特殊な接続をします。助動詞「り」は、「サ変動詞に未然形接続」か「四段動詞に已然形接続」します。

動詞動詞+助動詞り接続
サ変動詞 具す具せり未然形接続
四段動詞 行く行けり已然形接続


助動詞「り」は、接続が「サ未四已(さみしい)」と、語呂合わせで覚えます。

助動詞 推定のらし 接続

助動詞 推定のらし 接続

助動詞 推定のらし 接続



【推定の助動詞らし 接続】


古文の推定の助動詞「らし」は、原則として終止形に接続します。

例えば、動詞「行く」の後に、推定の助動詞「らし」をおくと、「行くらし」となり、「行く」が終止形に変化します。前の言葉を終止形にするので、推定の助動詞「らし」は、終止形接続(しゅうしけいせつぞく)と呼びます。



古文の推定の助動詞「らし」は、例外としてラ変型へは連体形に接続します。

例えば、動詞「あり」の後に、推定の助動詞「らし」をおくと、「あるらし」となり、「あり」が連体形に変化します。これは例外です。

ラ変型へ終止形で接続すると「ありらし」と発音しにくいので、「あるらし」と音便化したと考えられています。

さらに「あるらし」は、「あんらし」や「あらし」とも変化していきました。

推定の助動詞「らし」は、音便に注意と覚えておきましょう。



【推定の助動詞らし 接続 まとめ】


動詞動詞+助動詞らし接続
四段動詞 行く行くらし終止形接続
上一動詞 着る着るらし終止形接続
上二動詞 過ぐ過ぐらし終止形接続
下一動詞 蹴る蹴るらし終止形接続
下二動詞 出づ出づらし終止形接続
カ変動詞 来来らし終止形接続
サ変動詞 すすらし終止形接続
ナ変動詞 往ぬ往ぬらし終止形接続
ラ変動詞 おりおるらし連体形接続



助動詞 推定のらし 音便

助動詞 推定のらし 音便

助動詞 推定のらし 音便



【推定の助動詞らし 音便 まとめ】


音便元の形解説
あるらしありらし終止形接続から連体形接続へ
あんらしありらし「る」が「ん」へ音便化
あらしありらし「ん」が省略化


あるらし」=「あんらし」=「あらし」と覚えておきましょう。


助動詞 推定のらし 活用

助動詞 推定のらし 活用

助動詞 推定のらし 活用


古文の助動詞「らし」は、活用します。活用と接続は、まったく別物なので、注意しましょう。

古文の助動詞「らし」の活用は、以下です。


【古文 助動詞らし 活用表】


活用形語幹活用語尾識別方法
未然形ずを付ける
連用形てを付ける
終止形らし。を付ける
連体形らし物を付ける
已然形らしばを付ける
命令形!を付ける


助動詞「らし」は、無変化型の活用です。



助動詞 らし 問題



【助動詞の接続】


次の助動詞27個を、接続によって分類しなさい。

たり / らる / まほし / ごとし / なり / らし / けり / たし / さす / つ / まし / けむ / らむ / じ / き / たり / めり / むず / ず / ベし / す / り / る / む / なり / ぬ / まじ


接続助動詞
未然形接続     
連用形接続     
終止形接続     
連体形接続     
特殊接続     





【助動詞らし 接続 まとめ】


以下の動詞に、推定の助動詞「らし」を接続しなさい。

動詞動詞+助動詞らし接続
四段動詞 行く     終止形接続
上一動詞 着る     終止形接続
上二動詞 過ぐ     終止形接続
下一動詞 蹴る     終止形接続
下二動詞 出づ     終止形接続
カ変動詞 来     終止形接続
サ変動詞 す     終止形接続
ナ変動詞 往ぬ     終止形接続
ラ変動詞 おり     連体形接続









【推定の助動詞らし 音便】


以下の各文のうち、音便を、元通りへ修正しなさい。


秋の景色にこそあんらし。
     


おかしからし。
     


春に咲くめらし。
     


人にはあらざらし。
     




【助動詞らし 現代日本語訳】


以下の古文を、現代日本語に訳しなさい。


古文:秋の夜は 露こそことに 寒からし 草むらごとに 虫の侘ぶれば
現代:     

---秋歌 百九十九首 詠人知らず---



古文:千鳥鳴く 佐保の川霧 立ちぬらし 山の木葉も 色勝りゆく
現代:     

---賀歌 三百四十五首 素性法師---


助動詞 らし 解答解説



【助動詞の接続】


次の助動詞27個を、接続によって分類しなさい。

たり / らる / まほし / ごとし / なり / らし / けり / たし / さす / つ / まし / けむ / らむ / じ / き / たり / めり / むず / ず / ベし / す / り / る / む / なり / ぬ / まじ


接続助動詞
未然形接続る・らる・す・さす・む・ず・むず・じ・まし・まほし
連用形接続き・けり・つ・ぬ・たり・けむ・たし
終止形接続まじ・めり・なり・らむ・らし・ベし
連体形接続なり・たり・ごとし
特殊接続





【助動詞らし 接続 まとめ】


以下の動詞に、推定の助動詞「らし」を接続しなさい。

動詞動詞+助動詞らし接続
四段動詞 行く行くらし終止形接続
上一動詞 着る着るらし終止形接続
上二動詞 過ぐ過ぐらし終止形接続
下一動詞 蹴る蹴るらし終止形接続
下二動詞 出づ出づらし終止形接続
カ変動詞 来来らし終止形接続
サ変動詞 すすらし終止形接続
ナ変動詞 往ぬ往ぬらし終止形接続
ラ変動詞 おりおるらし連体形接続









【推定の助動詞らし 音便】


以下の各文のうち、音便を、元通りへ修正しなさい。


秋の景色にこそあんらし。
秋の景色にこそあるらし。


おかしからし。
おかしかるらし。


春に咲くめらし。
春に咲くめるらし。


人にはあらざらし。
人ではあらざるらし。




【助動詞らし 現代日本語訳】


以下の古文を、現代日本語に訳しなさい。


古文:秋の夜は 露こそことに 寒からし 草むらごとに 虫の侘ぶれば
現代:秋の夜は 露がことのほか 寒いらしい 草むらごとに 虫が侘しく鳴いているので

---秋歌 百九十九首 詠人知らず---



古文:千鳥鳴く 佐保の川霧 立ちぬらし 山の木葉も 色勝りゆく
現代:>千鳥が鳴き 佐保川には霧が 立ったらしい 山の木葉も 色が増していく

---賀歌 三百四十五首 素性法師---


似ている記事
スポンサーさん