古文には6種類の活用があります。
【日本語の活用まとめ】
番号 | 古文 | 現代日本語 |
1 | 未然形 | 未然形 |
2 | 連用形 | 連用形 |
3 | 終止形 | 終止形 |
4 | 連体形 | 連体形 |
5 | 已然形 | 仮定形 |
6 | 命令形 | 命令形 |
【未然形 まだ完了していない状態】
未然形(みぜんけい)とは、動詞が「まだ完了していない状態」を示します。「書かず」とあれば「まだ書いていない状態」を示していますよね。
【未然形 識別 ずを付ける】
古文の未然形の識別は、打消の助動詞「
ず」を付けます。現代日本語の未然形の識別では、打消の助動詞「ない」を付けました。古文の助動詞「ず」は、現代文の助動詞「ない」の祖先です。
【未然形 例文】
古文:我いまだ書かず。
現代:私はいまだに書かない。
古文:共に遊ばず。
現代:一緒には遊ばない。
古文:夜まで書を読まず。
現代:夜まで本を読まない。
【連用形 用言に連なる状態】
連用形(れんようけい)とは、動詞が「用言(ようげん)に連(つら)なる状態」を示します。
用言とは、動詞・形容詞・形容動詞を、まとめた文法用語です。まとめて呼べる便利な文法用語です。「書き置く」とあれば動詞「書く」が動詞「置く」に連なっていますよね。
【連用形 識別 てを付ける】
古文の連用形の識別は、助詞「
て」を付けます。現代日本語の連用形の識別と、同じです。「書く」に「て」を付けると「書きて」と活用「しますよね。
【終止形 文の終わり】
終止形(しゅうしけい)とは、動詞が「文の終わりの状態」を示します。
日本語で、文の終わりに句点(くてん)が打たれるようになったのは明治時代以後(現代文が成立してから)です。それまでは、文の終わりを明確に示す方法として、終止形を用いていました。
終止形がわかると、古文の切れ目がわかるようになります。
古文辞書では、動詞は連用形か終止形で、記載されています。
【終止形 識別 。を付ける】
古文の終止形の識別は、「
句点=。」を付けます。現代日本語の終止形の識別と、同じです。
【連体形 体言に連なる状態】
連体形(れんたいけい)とは、動詞が「体言(たいげん)に連(つら)なる状態」を示します。
体言とは、名詞の別名となる文法用語です。特に文法の話をしたい時に用います。「書く物」とあれば動詞「書く」が体言「もの」に連なっていますよね。
【連体形 識別 ものを付ける】
古文の連体形の識別は、「
もの」や「とき」や「こと」を付けます。現代日本語の連体形の識別と、同じです。
【已然形 すでに完了した状態】
已然形(いぜんけい)とは、動詞が「すでに完了した状態」を示します。「書けば」とあれば「すでに書き終わっている状態」を示しています。
現代文では仮定形のところが、古文では已然形に変化しています、大きな変化なので、大学受験でも出題されやすいです。
【已の字 己や巳ではない】
已然形の「已」の字は、「己(おのれ)」や「巳(へび)」ではないので、漢字書取に注意しましょう。
【已然形 識別 ばを付ける】
古文の已然形の識別は、「
ばを付けます。ただし現代日本語とは、異なる場合があるので、注意が必要です。
【已然形 例文】
古文:我すでに書けば。
現代:私はすでに書いたので。
古文:共に遊べば。
現代:一緒に遊んだので。
古文:朝まで書を読めば。
現代:朝まで本を読んだので。
【命令形 命令や発声】
命令形(めいれいけい)とは、動詞が「相手への掛声である状態」を示します。「書け」とあれば「目前に相手がいて、話しかけている状態」を示しています。
【命令形 識別 とてが多い】
古文の命令形の識別は、「
とて」に注目します。「とて」は台詞引用に用いられるので、「とて」の直前が命令形になっていないか確認してみましょう。
【命令形 例文】
古文:大臣(おとど)、疾(と)く書けとて
現代:大臣が、早く書けと言って
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