祝らが斎う社の黄葉も 意味文法品詞分解

祝らが斎う社の黄葉も 意味文法品詞分解

祝らが斎う社の黄葉も 意味文法品詞分解

祝らが斎う社の黄葉も 意味文法品詞分解


万葉集 現代語訳+品詞分解】



【二千三十九首 詠人不知】



【古文】


:祝らが 斎ふ社の 黄葉も 標縄越えて 散るいふものを


【新字】


:祝らが 斎う社の 黄葉も 標縄越えて 散るいうものを


【かな】


:ほうりらが いわうやしろの もみちばも しめなわこえて ちるいうものを



【現代語訳】


神職たちが 神へお祈りする神社の 黄葉も 標縄を越えて 散るというものなのだ(だから黄葉も、人間も、生命力が溢れてしまう時があるのだ)



【品詞分解】


祝ら が 斎ふ 社 の 黄葉 も 標縄 越え て 散る いふ もの を



【文法解説】


祝ら(名詞) が(助詞 主語) 斎ふ(動詞 斎ふ 連体形) 社(名詞) の(助詞 連体) 黄葉(名詞) も(副助詞) 標縄(名詞) 越え(動詞 越ゆ 連用形) て(接続助詞) 散る(動詞 散る 連体形) いふ(動詞 言ふ 連体形) もの(名詞) を(助詞 対象)



【詩歌解説】


この詩歌(しいか)は、万葉集へ収録された短歌です。秋歌のうち、生命力を目覚めさせる場面です。

構成は、五七五七七(ごしちごしちしち)の三十一音の音律で、定型です。

言葉は、神社を題材にし、「祝(はふり)」や「標縄(しめなわ)」などが用いられています。秋歌は、和歌の主題の1つです。秋歌に登場する古典日本語「黄葉」は、現代日本語の「紅葉」へと継承されています。

表現は、突破(とっぱ)を用いています。突破では、自ら設定した境界を、突破する場面を描くことで、力量が表現されます。ここでの突破とは「自ら設定した標縄という」境界を「黄葉の葉の生命力が突破する」ことです。生命力の発現によって、人間世界の法が停止する世界観を描きます。

構成は、上の句から下の句まで、一気に流れる構成です。

祝(はふり)とは、神道の位階の1つで、神社の運営を司ります。歴史仮名遣いでは「はふり」で、現代仮名遣いでは「ほうり」となります。

斎ふ(いはふ)は、身を清めることです。

標縄(しめなわ)とは、神社の聖域を示す縄のことです。標縄は、注連縄とも表記されます。

詠人(よみびと)は、不明で、神職であることが想像されます。



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