竜田川もみぢ乱れて流るめり 意味文法品詞

竜田川もみぢ乱れて流るめり 意味文法品詞

竜田川もみぢ乱れて流るめり 意味文法品詞

竜田川もみぢ乱れて流るめり 意味文法品詞


古今和歌集



【秋歌二百八十三首 詠人知らず】




【古文】


:竜田川 もみぢ乱れて 流るめり 渡らば錦 中や絶えなむ



【かな】


:たつたがわ もみぢみだれて ながるめり わたらばにしき なかやたえなむ



【現代語訳】


竜田川へ 紅葉が乱れて 流れるようだ (もし私が)渡ったら(美しい水面の織物に見える)錦が 途中で切れてしまうだろう(だから切れないように大切にしたい)



【品詞分解】


竜田川 もみぢ 乱れ て 流る めり 渡ら ば 錦 中 や 絶え な む



【文法解説】


竜田川(名詞) もみぢ(名詞) 乱れ(動詞 乱る 連用形) て(接続助詞 接続) 流る(動詞 乱る 終止形) めり(助動詞 めり 終止形) 渡ら(動詞 渡る 未然形) ば(接続助詞 条件) 錦(名詞) 中(名詞) や(係助詞) 絶え(動詞 絶ゆ 未然形) な(助動詞 ぬ 未然形) む(助動詞 む 終止形)



【詩歌解説】


この詩歌(しいか)は、古今和歌集の秋歌(あきうた)へ収録された短歌です。

構成は、五七五七七(ごしちごしちしち)の三十一音の音律です。

言葉は、平易な大和言葉が中心で、「もみぢ」という大和言葉は、現代日本語へ、そのまま継承されています。

表現は、四季の景色を描写しており、美しい河川を、織物の錦へと、見立てています。

竜田川(たつたがわ)とは、奈良から大阪へ向かう河川です。万葉集・古今和歌集の時代では、竜田川は貴族たちの身近にある河川であり、しばしば万葉集に登場します。

錦(にしき)とは、高級な織物のことです。この短歌では、竜田川に浮かぶ紅葉が、いかに美しい模様であるかを、錦に見立てています。

詞書(ことばがき)には、「この歌は、ある人、ならのみかとの御歌なりとなむ申す」とあり、詠人は帝の可能性が残されています。

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