人はいざ心も知らず故郷は 意味文法品詞分解
人はいざ心も知らず故郷は 意味文法品詞分解
【古今和歌集】
【春歌四十二首 紀貫之】
【古文】
:人はいざ 心も知らず 故郷は 花ぞ昔の 香に匂ひける
【かな】
:ひとはいざ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
【現代語訳】
:人間のさあ 心は分からないけれど 故郷では 昔からの花が 美しい香りを放っているのだなあ。
【品詞分解】
:人 は いざ 心 も 知ら ず 故郷 は 花 ぞ 昔 の 香 に 匂ひ ける
【文法解説】
:人(名詞) は(格助詞 主語) いざ(副詞 気合) 心(名詞) も(副助詞) 知ら(動詞 知る 未然形) ず(助動詞 ず 終止形) 故郷(名詞) は(格助詞 主語) 花(名詞) ぞ(係助詞) 昔(名詞) の(格助詞 連体修飾) 香(名詞) に(格助詞 対象) 匂ひ(動詞 匂ふ 連用形) ける(助動詞 けり 連体形)
【詩歌解説】
:この詩歌(しいか)は、古今和歌集の春歌(はるうた)へ収録された短歌です。
構成は、五七五七七(ごしちごしちしち)の三十一音の音律です。
言葉は、平易な大和言葉が中心で、「ひと」や「こころ」や「はな」という大和言葉は、現代日本語へ、そのまま継承されています。
表現は、人間の心の不確かさへの不安と、故郷の花がいつまでも美しく香っている安心を、対比させてします。
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