吉野川岸の山吹咲きにけり 意味文法品詞分解
吉野川岸の山吹咲きにけり 意味文法品詞分解
【新古今和歌集】
【春歌(はるうた)】
【古文】
:吉野川 岸の山吹 咲きにけり 峰の桜は 散り果てぬらむ
【かな】
:よしのがわ きしのやまぶき さきにけり みねのさくらは ちりはてぬらむ
【現代語訳】
:吉野川 岸の山吹が 咲いているのだなあ 峰の桜は 散り果てているようだ
【品詞分解】
:吉野川 岸 の 山吹 咲き に けり 峰 の 桜 は 散り 果て ぬ らむ
【文法解説】
:吉野川(名詞) 岸(名詞) の(格助詞 連体) 山吹(名詞) 咲き(動詞 咲く 連用形) に(助動詞 ぬ 連用形) けり(助動詞 けり 終止形) 峰(名詞) の(格助詞 連体) 桜(名詞) は(格助詞 主語) 散り(動詞 散る 連用形) 果て(動詞 果つ 連用形) ぬ(助動詞 ぬ 連用形) らむ(助動詞 らむ 終止形)
【詩歌解説】
:この詩歌(しいか)は、新古今和歌集の春歌(はるうた)へ収録された短歌です。
構成は、五七五七七(ごしちごしちしち)の三十一音の音律です。
言葉は、吉野川という具体的な地名が詠まれています。
表現は、対比表現を用いています。「岸に咲く山吹」と「峰に散る桜」による対比表現です。この対比表現により、春が遠くから近くへ、作者のところへ訪れてくる効果があります。
吉野川(よしのがわ)とは、奈良県の山脈から流れる河川です。古今和歌集・新古今和歌集の時代では、奈良県は貴族たちの身近にある河川であり、しばしば万葉集に登場します。
峰(みね)とは、山脈の頂点の土地のことです。この短歌では、大地の底を流れる「岸」と、山脈の頂点に立つ「峰」が、対比されています。
詞書(ことばがき)には、「藤原家隆朝臣(ふじわらのいえたかあそん)」とあり、詠人が記録されています。
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