大君は神にしませば天雲の 意味文法品詞分解
大君は神にしませば天雲の 意味文法品詞分解
【万葉集 現代語訳+品詞分解】
【二百三十五首 柿本人麻呂】
【古文】
:大君は 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬りせるかも
【かな】
:おおきみは かみにしませば あまぐもの いかづちのうえに いほりせるかも
【現代語訳】
:天皇は 神様でいらっしゃるので 天の雲の 雷の上に お休みになられているのだ
【品詞分解】
:大君 は 神 に し ませ ば 天雲 の 雷 の 上 に 廬り せ る かも
【文法解説】
:大君(名詞) は(助詞 主語) 神(名詞) に(助動詞 なり 連用形) し(助詞 強調) ませ(助動詞 まし 未然形) ば(助詞 条件) 天雲(名詞) の(助詞 連体) 雲(名詞) の(助詞 連体) 上(名詞) に(助詞 時空) 廬り(動詞 廬る 連用形) せ(助動詞 す 未然形) る(助動詞 り 連体形) かも(助詞 願望)
【詩歌解説】
:この詩歌(しいか)は、万葉集へ収録された短歌です。大和の国(現在の奈良県)に、人人が集住し、政治権力が確立したことを、祝福する場面です。
構成は、五七五八七(ごしちごはちしち)の三十二音の音律です。定型の五七五七七(ごしちごしちしち)の三十一音の音律に対して、一音、余っています
言葉は、自然を題材にし、「雲」や「雷」などが用いられています。風景描写は、和歌の主題の1つです。雲や雷は具体名詞であり、天は抽象名詞であることに、注目したいです。
表現は、極限(きょくげん)を用いています。天雲(あまぐま)という最上位を描き、さらに上位が存在することを描くことで、大王の威厳を強調しています。
構成は、上の句から下の句まで、一気に流れる構成です。
大君とは、奈良時代以前の、天皇への敬称です。
天は、音読みでは「てん」で、訓読みでは「あま」となります。
廬る(いおる)とは、かりそめの宿のことです。「廬る」は旧字体で、「庵る」が新字体です。現代日本語では「庵(いおり)」という名詞が継承されています。
詠人(よみびと)は、柿本人麻呂(かきもとのひとまろ)です。
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