石走る垂水の上の早蕨の 意味文法品詞分解
石走る垂水の上の早蕨の 意味文法品詞分解
【万葉集 現代語訳+品詞分解】
【千四百十八首 志貴皇子】
【古文】
:石走る 垂水の上の 早蕨の 萌え出づる春に 成りにけるかも
【かな】
:いしばしる たるみのうえの さわらびの もえいづるはるに なりにけるかも
【現代語訳】
:石を走る 流れる水の上に さわらびが 萌え出ている春に なったのですね
【品詞分解】
:石 走る 垂水 の 上 の 早蕨 の 萌え 出づる 春 に 成り に ける かも
【文法解説】
:石(名詞) 走る(動詞 走る 連体形) 垂水(名詞) の(助詞 連体) 上(名詞) の(助詞 連体) 早蕨(名詞) の(助詞 主語) 萌え(動詞 萌ゆ 連用形) 出づる(動詞 出づ 連体形) 春(名詞) に(助詞 変化) 成り(動詞 成る 連用形) に(助動詞 ぬ 連用形) ける(助動詞 けり 連体形) かも(助詞 願望)
【詩歌解説】
:この詩歌(しいか)は、万葉集へ収録された短歌です。四季のうち、春の訪れを祝福する場面です。
構成は、五七五八七(ごしちごはちしち)の三十二音の音律です。定型の五七五七七(ごしちごしちしち)の三十一音の音律に対して、一音、余っています
言葉は、自然を題材にし、「石」や「水」や「早蕨(さわらび)」などが用いられています。風景描写は、和歌の主題の1つです。水や早蕨は具体名詞であり、春は抽象名詞であることに、注目したいです。
表現は、展開(てんかい)を用いています。自然の景物を1つ1つ、具(つぶさ)に描いていき、最後に春という世界観を開いています。
構成は、上の句から下の句まで、一気に流れる構成です。
垂水とは、水の姿で、ゆるやかに重力に従う水の流れです。
早蕨(さわらび)は、植物名です。
詠人(よみびと)は、志貴皇子(しきのみこ)です。やさしい心の歌ですね。万葉集では、男性も女性も、貴族も農民も、四季(しき)を詠みました。
質問と回答