啓蟄か 7メートルの 崖超える 啓蟄が季語

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啓蟄か 7メートルの 崖超える 啓蟄が季語

啓蟄か 7メートルの 崖超える 啓蟄が季語

俳句啓蟄か 7メートルの 崖超える
読上

仮名けいちつか ななめーとるの がけこえる
羅馬Keichitsu ka Nana metoruno Gake koeru
季語:春の季語  3月の季語  啓蟄
韓国語계칩 (キョチツ 발음 [계칩] キョチツ [게ː칩] ケチツ)
中国語繁体 驚蟄 簡体 惊蛰 (jīngzhé jing1zhe2 ジンジュウ)
季節:春  中春  太陽黄経345度
意味:啓蟄は二十四節気の1つで、季節の変わり目です。啓蟄は雨水の後におとずれ、むしが姿をひらきます。現代日本語で言えば、地中で眠っていた蟲たちが、暖かさに誘われて、のそのそと大地へ顔を出す世界観を持ちます。
新字の「虫」は、いわゆる昆虫類を意味するようになりましたが、旧字の「蟲」は「人間の目に見えない生命力」を意味し、より広い概念です。例えば、平安時代の古典日本語(日本の公立学校では古典科目として学習する古文のこと)では、現代の細菌・ウイルス・医薬品・漢方薬・薬草・ハーブなども、「蟲」と呼んでいました。
啓蟄の世界観では、生命力がいんからようへ反転し、冬の眠りから春の目覚めとへ、生活が変化します。いきなりの急変化ではなく、穴からこっそりと蟲が出てくるように、あたりを確認しながらの、ゆっくりとした変化です。
そこから、物事の「探索」、出来事の「準備」、他愛のない「ゆう」などの方向性が現れてきます。
探索の表現は、よみの性格によって、があります。
生物は、ときどき、意味不明なことをします。例えば、いきなり土の匂いを嗅いでみたり、野原に寝転んで回転したりします。この「ときどき意味不明」が、「いつも意味不明」になると、危ない人間と呼ばれます。しかし、生物が意味不明なことをするのは、環境を探索したり、環境を試してみるという本能があるからです。じょうせきとしては、「普段は自分がしないことをあえてしてみる」や「いたずらにしてみる」というこころがまえが、発想を助けるでしょう。
啓蟄の次の節気は、春分(しゅんぶん)で、はるけます。黄経360度は、黄経0度に帰還し、季節がめぐります。
類義驚蟄(けいちつ) 虫出し(むしだし) 虫の息(むしのいき) 名残雪(なごりゆき) 春雷(しゅんらい) 启蛰(けいちつ)
没作:
這い出たら タンカー来たぜ 虫の息
這い出たら タンカー来るの 虫の息
這い出たら タンカー来たり 虫の息
這い出たら 四トン来たり 虫の息
這い出たら 人間来たり 虫の声
毛穴から 魂出たり 名残雪
徘徊と 散歩の中間 名残雪
とりあえず 近所を警備 して帰宅
毛穴から 何かが出たり 入ったり
虫の息 静かな庭を 乱せない
叩かれる 前に辞めよう 虫の振り
ぶんぶんと 殴られるまで 飛んでみる
殴られて なぜか悦ぶ 虫女
啓蟄や 7メートルの 崖超える
啓蟄か 7メートルの 崖超える
啓蟄だ 7メートルの 崖超える
啓蟄や 左右点検 穴を出る
啓蟄は 青葱嗅いで 気絶する
啓蟄は アスファルトにて 気合入れ
解題:
英俳:
Insect awakening
Fly over the 7-meter wall
Of the house next door
読上

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