黒土は 貫く天は まだ土筆

黒土は 貫く天は まだ土筆

黒土は 貫く天は まだ土筆

黒土は 貫く天は まだ土筆

【俳句】:黒土は 貫く天は まだ土筆
【仮名】:くろつちは つらぬくてんは まだつくし
【英訳】:Sprout out Long way to Heaven The horsetails
【季語】:春
【解説】:土筆(つくし)は、春の季語です。土筆はシダ植物で、大地の地下に茎を伸ばして生きています。地下茎が春の訪れをむずむずと感じると、にょっきりと大地を貫いて、人間の世界に現れます。その姿を、私たちは土筆と呼びます。土筆の魅力は、その突発さです。人間の目には、予告もなく、予定もなく、予想もなく、いきなり土筆が生えてきたように見えて、驚きます。驚きはしますが、さして害はありません。どことなく愛らしく、それとなく気合も入っています。硬さと柔らかさが同居している点が、土筆の植物としての魅力でしょう。
ところで、チャールズ・ダーウィンの進化論は、生物界の適者生存(てきしゃせいぞん)の理論を打ち立てたことで有名ですが、一方で、生物の面白さについても考えさせられます。というのも、ダーウィンは生物がいろいろなことを試行錯誤して、結果的に進化していくと述べていて、その「いろいろなこと」が面白いからです。土筆が太陽に向かって伸びていくのは適者生存だと言われても、土筆がくねくねしている姿はやはり面白く、土筆の先頭がふっくらしている姿は怪しいです。天を目指して、勢い余っています。
人間は外界から知識を得るために、感覚・感情・言語・理性など、脳のさまざまな領域を活用しています。俳句は、どうやら、物事の姿をていねいに見つめることから始まるようです。和名は土筆で、英名はホーステール(horsetail)です。

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