古文単語 衣装

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古文単語 衣装

古文に登場する衣装をまとめています。衣装は、身体を装飾するものを指します。 古典世界では装束(そうぞく)、現代ではファッションとも、呼ばれます。

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袿 (うちき)

袿 (うちき)

袿 (うちき)

袿(うちき・うちぎ)とは、古典世界で、貴族の衣服を指します。貴族の衣服には、さまざまな細則があり、以下のように着用していました。

1:男性貴族が、正装である直衣・狩衣のしたに着る衣服
2:女性貴族が、部屋着として着る衣服
3:帝から与えられる高級な衣服

1について、男性貴族は、正装として、直衣・指貫・狩衣、を着用しました。
その時に、内側に着ていたものを袿と呼びました。
現代でも、男性のビジネスマンは、スーツジャケットのしたにワイシャツを着用する習慣があります。直衣と袿の関係は、スーツジャケットとワイシャツの関係に近いものです。

2について、女性貴族は、男性貴族と異なり、いつもは家庭・宮中にいて、人前に姿を見せることはあまりありませんでした。(男性が女性を「見る」ということは、恋人関係になることを意味していました)
したがって、女性が正装する機会はあまりなく、袿といった場合は、単に部屋着を指します。

3について、帝からの禄(ろく ご褒美のこと)として、衣装を贈る習慣がありました。
当時の生産技術では、衣装は高級財で、特に絹を用いた衣装は最高級でした。税制である租庸調においても 、布・織物を、民衆から国家に納めさせていました。
帝からの贈物は、大袿 (おおうちぎ) とも呼ばれ、広めの織物が送られていたようです。後日、それを自分に合わせて仕立てていたので、大袿は、現代のオーダーメイドの衣装に似ています。

例文:御禄の物、主上の命婦取りて賜ふ。白き大袿に御衣一領、例のことなり。
読文:みろくのもの、しゅじょうのめいふとりてたまふ。しろきおおうちきにみころもいちりょう、れいのことなり。
訳文:(帝から与えられる)褒美の物を、帝の秘書が取りついで、ご入手されました。白い大袿の装束がひと揃いあるのが、いつものことだ。

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