IoT実験農園の土地を、九十九里浜に取得しました。調査記事を書いておきます。
【Iotとは 定義】
IoT(Internet of Things アイオーティー)とは、「物のインターネット」と訳されます。2019年現在、インターネットには人と人が接続されていますが、さらにインターネットを利用して、物と物、物と人、が結びつくようになる世界観をIoTと呼んでいます。
具体的には、中国の通信企業である華為(huawei)の胡厚崑(Ken Hu)さんは、以下のように語っています。
私は人々がインターネットサービスのために10億件の新規加入をする準備ができていると言いました。 次に、牛の写真を見せました。全ての人が笑いましたが、私はまったく真剣でした。中国の酪農家はすでに牛たちをインターネットに接続しています。 乳牛は、牛乳生産量を増やすために、一連の定期的な生体検査を可能にする首輪を着用します。これにより、牛乳生産を増加させ、農家は1年間乳牛1頭につき追加で420ドルの所得上昇があります。モノをインターネットに接続することは、経済成長を刺激し、天然資源の過剰消費を削減する可能性があります。 今日のブロードバンドネットワークは、人々にサービスを提供するために構築されましたが、その範囲は限られています。
胡厚崑. Rethinking the Internet of Things.
慶応大学商学部2019年大問6
牛の生体検査の「情報」が、あたかも人間同士がやりとりするように、インターネットへと送信され、データとして利用できるようになっています。
牛を始めとした「モノ」は、言語を操作できるわけではないので、主体的に情報発信はできません。代わりに、モノに接続したセンサー(ここでは牛の首輪)が情報発信します。そこから、私たち人間が既に利用している、メールやサイトやアプリへと、接続されます。
【Iotとは 自動化】
IoTはそれまで人間がしていた作業を自動化しますが、特に生命科学(農業や食品や医療)と相性が良いです。
その理由の1つ目は、生命科学は、労働力の大半を「検査作業」に費やしているからです。例えば、風邪気味の小学生が、学校の保健室に行ってまずすることは「自分の体温を測る」ことです。時間・温度・湿度・光などセンサーは、すでに人間社会に普及して久しいですので、目新しい技術ではありません。これまで人間がしていた「検査作業」は、IoTによりほぼ自動化するはずです。
理由の2つ目は、生命科学はセンサーを用いるので「モノが無抵抗」であることを求められます。農業では植物が、食品では食材が、医療では患者が、センサーに抵抗しません。あるいはセンサーに慣れて、異なった反応を示すこともしません。
理由の3つ目は、生命科学が、時間を扱う点です。生命科学では、時間によって結果が変わってしまう出来事があります。例えば、農業では「適切な時期に肥料を増やす」こと、食品では「適切なタイミングで加熱する」こと、医療では「寝る前に薬を飲む」こと、が求められます。いずれの作業にも、時間が指定されます。このような時間制御を、現在は人間が担当していますが、IoTによる自動化が可能です。
【Iotとは 産業変化】
IoTが普及する結果、多くの労働集約産業が、知識集約産業あるいは資本集約産業に転換するでしょう。
現在の農業の印象は、労働集約産業で、多くの手間と、肉体労働が求められます。
IoTとロボットにより、人間の労働のほとんどを代替できるようになれば、農業は情報産業になるでしょう。挑戦してみる価値はありそうです。
【日本列島の課題 土地余り】
日本列島には、今後は多くの土地が余ってくることになります。
【日本列島の課題 人口減】
その理由の1つ目は、人口減です。
日本の18歳人口 大正から平成にかけて
日本の18歳人口は、戦後のある時期に200万人を超え、そこを頂点として減少に転じ、ゆるやかに少子化が進んでいます。
日本の18歳人口は、1921年(大正10年)に約119万人、1967年(昭和22年)に250万人、2009年(平成21年)に122万人でした。
戦中・戦後を通して、18歳人口は2倍になり、また元に戻っています。
なお、2030年には、18歳人口が100万人を切ると予想されています。事故や病気などによって、細かな数値は変動しますが、少子化という大きな流れは、変わることはなさそうです。
【日本列島の課題 農村の変化】
理由の2つ目は、農村の変化です。
日本の農業人口のデータです。1955年から2015年(昭和30年から平成27年)をまとめています。
日本の農業人口の1955年から2015年
日本の農業に従事する人口は1955年に604万人でしたが、2015年に215万人でした。60年間で農業従者の人口は約3分の1になっています。
農業従事者の平均年齢は1995年に53歳でしたが、2015年に60歳でした。20年間で平均年齢が約7歳上昇しています。
日本の農業は、就業者の減少と就業者の高齢化が進んでいます。
さらに日本の農業では、耕作放棄地(こうさくほうきち)も増えています。
耕作放棄地とは、農地を所有しているにもかかわらず、利用せずに放置してある土地です。
日本の耕作放棄地の1975年から2015年
日本の耕作放棄地は、1975年に13万ヘクタールでしたが、2015年に42万ヘクタールでした。40年間で日本の耕作放棄地は約3倍になっています。
日本の農業人口は減少し、平均年齢が上昇し、耕作放棄地が増大しています。伝統的な農村は、近い将来、変化を求められるようになるでしょう。
全体の人口減+都市集中+農村の変化により、日本列島の土地利用は変化を余儀なくされます。
空間の有効利用(どうやって価値を生み出していくか)は、日本列島の課題でしょう。
そこに、新しい科学技術(テクノロジー)があります。
【日本列島の課題 テクノロジーと法規制】
ITビジネスの一番の脅威は、法規制です。企業が設備投資をした後に、規制がなされた場合は、事業経営が成り立たなくなる可能性があります。
IoTは「物理空間を利用する科学技術」ですので、万一の事故を避けるために、土地を選定しなければいけません。
そこで関東平野の状況を調査しました。
関東平野
関東平野
赤の範囲が人口集中地区です。人口集中地区(じんこうしゅうちゅうちく)とは、総務省の指定地区です。人口調査により、特に人口が集中がしている地区で、報道記事ではDID(Densely Inhabited District ディーアイディー)とも略されています。
人口集中地区は、今後のテクノロジー規制において、重要概念になると思います。
【日本列島の課題 DID】
テクノロジー規制を巡る議論は、産業育成と安全性が、天秤に掛けられます。事故確率を0%にすることはできませんので、どこかで線引きしなければいけないのですが、私はその「線引き」が「人口集中地区かどうか」になると思っています。
例えば、2019年において、ドローンは以下の地域で規制されています。
関東平野 ドローン規制空域
関東平野で残っているのは、半島部(伊豆半島か三浦半島)か太平洋側(九十九里浜)でしょう。
ドローンは、日本国では航空法による「無人飛行機」に該当し、国土交通省の管轄にあります。そして国土交通省が「どのようにドローンを規制したか」というと、総務省が作成した人口集中地区にもとづいています。
IoTに加えて新しいテクノロジー(無人運転車やAIロボットなど)が社会に登場してくるたびに「人口集中地区で利用可能かどうか」が議論されるようになるはずです。
大阪平野 ドローン規制空域
濃尾平野 ドローン規制空域
【参考文献】
インターネット
農学 基礎知識技術編
水質調査6項目 定義方法測定結果 PH CODまとめ
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