果実の追熟(ついじゅく) 果物の甘味色味栄養

果実の追熟(ついじゅく) 果物の甘味色味栄養

果実の追熟(ついじゅく) 果物の甘味色味栄養

果実の追熟(ついじゅく) 果物の甘味色味栄養

追熟(ついじゅく)とは、果実を収穫した後に、熟すことです。果実は種子が完成した後も、人間が食べやすいように、人工的に追熟する場合があります。例えばバナナは、種子が完成した後に、さらに追熟すると、果実内の糖分が変化し、甘く柔らかくなり、食べやすくなります。またパプリカは、種子が完成した後に、さらに追熟すると、カロテノイドが変化し、色味が変化します。

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果実の追熟(ついじゅく)

【追熟と完熟】
追熟と完熟(かんじゅく)は、果実が熟する点では共通です。しかし、追熟は、果実を収穫した後に、熟していく点が異なります。完熟は、果実はまだ草木から収穫していなくとも、すでに熟していますので、追熟の必要がありません。

【追熟の始まり エチレン】
追熟を、科学的に考えてみます。果実を室温(15℃から20℃)にしておくと、植物ホルモン(エチレン)が発生し、追熟が始まります。

人工的に追熟を促進するためには、エチレンガスを用います。実務では、リンゴ果実をそばにおいておくと、リンゴ果実からエチレンガスが発生しますので、近くの果実に追熟を促進できます。

リンゴ果実はエチレンガスを放出する

リンゴ果実はエチレンガスを放出する




【追熟と甘み デンプン】
追熟が始まると、果実内に蓄えられたデンプンは、グルコース(通称ブドウ糖)やフルクトース(通称果糖)に変化します。これに果実の糖度が上がり、人間の舌には「甘み」が増して感じられるようになります。
ベリーは追熟で甘味が変わる

ベリーは追熟で甘味が変わる




【追熟と色味 カロテノイド】
追熟は、カロテノイドにも影響します。カロテノイドとは、植物の色素となり、緑黄色野菜に多く含まれる物質です。例えばバナナ・トマト・ニンジン・パプリカには、独特の色味があり、カロテノイドの影響と考えられています。
バナナは追熟で色味が変わる

バナナは追熟で色味が変わる



カロテノイドは、さらにカロテンとキサントフィルに分類されます。追熟では、果実内のカロテンやキサントフィルに影響を与え、人間の目には「色味が変わる」ように見えます。


【追熟とパプリカ】
パプリカを追熟すると、カロテノイドが変化することがわかっています。カロテノイドが変化することで、人間の目には「黄色いパプリカ」や「赤いパプリカ」が見えるようになります。
パプリカのカロテノイドは豊富な色味と栄養がある

パプリカのカロテノイドは豊富な色味と栄養がある



パプリカの独自カロテノイドとしてカプサンチン・カプソルビン・カプサンチンエポキシド・クリプトカプシンがあります。

パプリカとカボチャに多く含まれるカロテノイドとして、ククルビタキサンチンAがあります。

パプリカとコーンに多く含まれるカロテノイドとして、ゼアキサンチンがあります。

パプリカとミカンに多く含まれるカロテノイドとして、β-クリプトキサンチンがあります。

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