【春夜洛城 李白作 書き下し文+日本語訳】
漢文:
$\Large誰 家 玉 笛 暗 飛\textcolor{YellowGreen}{_レ}声$
書下:誰が 家の 玉笛ぞ 暗に 声を 飛ばす
かな:だれが いえの ぎょくてきぞ あんに こえを とばす
日文:誰の家の、美しい笛の音だろうか。暗闇に、笛の音が、飛ぶように聞こえてくる。
解説:七言絶句の第一句です。「玉笛」とは美しい笛のことです。「玉」とは、東洋文化で宝石のように価値があるものを象徴します。「暗」とは、暗闇ではっきりとわからない状態のことです。
漢文:
$\Large散 入\textcolor{YellowGreen}{_二}春 風\textcolor{YellowGreen}{_一}満\textcolor{YellowGreen}{_二}洛 城\textcolor{YellowGreen}{_一}$
書下:散じて 春風に 入りて 洛城に 満つ
かな:さんじて しゅんぷうに いりて らくじょうに みつ
日文:(美しい笛の音が)あたりに散り、春風に混ざり、洛陽の街に、満ちている。
解説:七言絶句の第二句です。主語は省略されていますが、「玉笛」が主語です。玉笛の音が、春風に混ざり、幻想的な世界が描かれています。
漢文:
$\Large此 夜 曲 中 聞\textcolor{YellowGreen}{_二}折 柳\textcolor{YellowGreen}{_一}$
書下:此の 夜 曲中 折柳を 聞く
かな:この よ きょくちゅう せつりゅうを きく
日文:この夜に、(私に聞こえた)曲の中に、折楊柳(というみんなに愛されている曲)があった。
解説:七言絶句の第三句です。「折柳」とは「折楊柳」の省略形で、古代の漢詩を引用しています。ここでの引用は「定番の愛されている歌」の意味です。
漢文:
$\Large何 人 不\textcolor{YellowGreen}{_レ}起\textcolor{YellowGreen}{_二}故 園 情\textcolor{YellowGreen}{_一}$
書下:何人か 故園の 情を 起こさ ざらん
かな:なんびとか こえんの じょうを おこさ ざらん
日文:いったい誰が、故郷を懐かしむ気持ちを、起こさずにいられるだろうか。(いや、誰もが懐かしむ気持ちを起こすのだ)
解説:七言絶句の第四句です。「故園」とは「故郷」のことです。「故園情」で、「故郷を懐かしむ気持ち」という意味になります。美しい笛から、慣れ親しんだ歌が聞こえ、誰もが故郷の愛しさを味わっています。
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