【大学設置基準とは 定義】
大学設置基準(だいがくせっちきじゅん)とは、行政省令です。大学の組織運営を規定しています。
【大学設置基準 地位】
大学設置基準は、学校教育法の下位法です。学校教育法の規定に基づいて、大学設置基準が制定されました。監督官庁は、文部科学省です。
【大学設置基準 内容】
大学設置基準では、施設設備・組織・教員資格・学生定員・教育課程(カリキュラム)・卒業要件などの最低基準を定めています。
大学設置を希望する学校法人・自治体は、審査基準により、認定か否認かが審査されます。
さらに教育研究の質向上のために自己点検評価の実施も義務づけられています。
【大学設置基準 歴史】
1956年 | 昭和31 | 文部省令として制定 |
1991年 | 平成03 | 大規模な改正 |
【大学設置基準 1991年改正】
日本政府による構造改革の一環として、大学設置基準は1991年に改正されました。改正の方向として、大学の設置基準が緩和され、大学独自の自由なカリキュラム編成が認められました。その結果、大学数は増加し、学生定員も増加しました。
【大学設置基準 日本の大学数】
大学設置基準と日本の大学数
文部科学省の発表によれば、日本の大学の設置許可数は1951年で203大学でした。
1981年で451大学でした。1951年から1981年までの30年間の増加数は248大学です。
1991年で514大学でした。1981年から1991年までの10年間の増加数は63大学です。
2001年で669大学でした。1991年から2001年までの10年間の増加数は155大学です。
2011年で780大学でした。2001年から2011年までの10年間の増加数は111大学です。
2011年以降は、横這いあるいは微減となっています。
【大学設置基準への批判 大学の質低下】
大学設置基準の1991年の改正には、批判が存在します。大学数が増えたことで、大学教育の質が低下し、一部ではFランク大学が、大学教育にふさわしくない授業を実施していると批判されています。
【大学審査の方法】
世界的には、大学設置基準にはチャータリング方式とアクレディテーション方式があります。
チャータリング方式(Chartering)には、大学設立について、政府による許可制度です。チャータリング方式は、日本・イギリス・ドイツなどで採用されています。日本の大学設置基準は、文部科学省による許認可を求められるので、チャータリング方式と考えられます。
アクレディテーション方式は、設立基準は軽い一方で、定期的な認証評価を求められる制度です。アクレディテーション方式はアメリカで採用されています。アクレディテーション方式では、大学という名称を用いていても、実際に認定されている大学かどうか、消費者は自分で調べる必要があります。
【参考文献】
教育制度 大学受験 用語集
教育制度 大学受験 用語集 基礎知識
統計データ 文部科学省
The US Department of Education
Council for Higher Education Accreditation
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