両者は辞書の編集方針についても、明確な違いを持つと言われています。
オックスフォードは規範的 (normative) で、メリアムウェブスターは記述的 (discriptive) です。
記述的とは、言語はどのように用いられるべきか、権威を重視する方針をいいます。どのような言語の用法が正しくて、どのような言語の用法が間違っているのかを、オックスフォードの辞書は意識しているといわれています。日本語に例えれば、「ら抜き言葉」を認めないのが、規範的な方針です。辞書は正しい言語の守護神で、規範となるべきと考えます。
オックスフォードは大学出版社という性格なので、アカデミックな世界では支持が強いです。いわゆる硬くて正しい英語が知りたいときに、オックスフォードの辞書を調べましょう。
規範的とは、言語が現実にどのように用いられているのか、記録を重視する方針です。どのような言語が正しいかにこだわらず、現実の場面で用いられている言語は、すべて正しい言語だと考えます。日本語に例えれば、「ら抜き言葉」を認めるのが、記述的な方針です。
メリアムの辞書は、もともとはイギリス英語からアメリカ英語が分離していった歴史をよく反映しているといわれています。宗主国のイギリスから独立した後、アメリカでは独自に英語の用法が発展していきました。イギリスの権威からは間違いとされていたアメリカ英語も、現実の場面では広く普及していれば、それは辞書に採用すべきという立場です。
メリアムの辞書は、直観的で、メディア・マーケティング・俗語などの、言葉の新陳代謝が早い分野には強いです。いわゆる最新の流行語を知りたい場合は、メリアムの辞書を調べましょう。
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