東京都立高校 数学 共通試験 > 過去問2020年問題4 > 解説
問題4-1 図形の証明 正方形の性質:
ウ 度
平面図形分野から、正方形を中心にした総合問題です。計算問題と証明問題は、毎年、出題されています。
「平面図形の総合問題」のポイントは「隠れた図形を発見する」です。
まずは与えられたデータを書きこみしましょう。

問題4-1 正方形 データ書き込み
四角形ABCDは、正方形なので
ABC=BCD= となります。
CPQは、辺CP=辺CQなので、直角二等辺三角形となります。
ところで
APCは、 ABPの外角なので
外角APC= となります。

問題4-1 正方形 直角三角形の発見
よって
APQ=APCーCPQ
==
度
問題4-2 図形の証明 合同証明:
一見すると「正方形の問題」に見えますが、「三角形の合同条件」の問題です。
三角形の合同条件は「辺と角を合わせて3つ見つける」が定石です。
等しい辺と等しい角は、すでに問題文で与えられていますね。
AB=ED (仮定)・・・(1)
ABP=EDQ (仮定)・・・(2)
あとは1辺の長さが等しければ、合同条件が完成します。
そこで辺BPと辺DQに注目すると
BP=BC-CP
=CD-CQ=DQ (仮定)・・・(3)
これで合同条件が準備できましたので、合同条件を記述します。記述問題では「合同条件を書かないと減点される」ので、注意してくださいね。
以上の(1)(2)(3)より、
三角形の、二辺とその間の角がそれぞれ等しいので
ABP EDQ
証明終
② 「線分比」の問題です。「平面図形の総合問題」の場合は、どの解法を用いるか、見抜く必要があります。
まずは図形にデータを書きこみしていきます。

問題4-2 正方形
①で、すでに合同を証明しているので
BAP=DEQ となります。
また
APB==度
EAR=EAB-BAP
=度
よって
APB=EAR
APBとEARは、2つの角がそれぞれ等しいので
APB EAR となります。

問題4-2 正方形 相似の発見
続いて、相似比を求めていきます。
APBにおいて、三平方の定理より
=
==
=
EARにおいて
EA=2AD=
=
よって
APB:EAR=AP:EA
=5:8

問題4-2 正方形 相似の比
辺ERの長さ=辺AB
=
=
また
辺EQの長さ=辺APの長さ=5 となります。
以上より
EQ:QR=EQ:ER-QR
=:
=:
=
:

問題4-2 正方形 線分の比
お疲れさまでした。この問題4-2は、いわゆる「受験生に100点を取らせないための難問」です。もし初見で解けなくとも、あなたが悪いわけではありません。
難問に挑戦する価値は「100点を目指したい」と「より高度な解法を身につけたい」です。「余裕があれば挑戦してみる」くらいで、ちょうどよいでしょう。
まだ基礎問題が解けていない受験生は、あえて「捨て問」にしてしまっても、合格点には届くでしょう。
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