東京都立高校 数学 共通試験 > 過去問2019年問題3 > 問題・解答・解説・傾向
一次関数は基本問題も出題されますが、都立高校受験では「一次関数+他分野との融合問題」が主役になります。教科書の学習を終えたら、より上位の解法を習得していきましょう。
問題3-1 一次関数 座標計算:
「一次関数の座標計算」のポイントは「実際にグラフで、目視確認」です。
問題3-1 一次関数 座標計算 データ書き込み
点Pは直線$\ell$上の点なので
$y$=$-x+9$へ、点Pの $x$ 座標を代入して
$y$=$-(-4)+9$
$y$=
$13$
問題3-2 一次関数 平面図形の融合:
「平面図形の融合」の問題は、自分の手でグラフを描く技術が必要です。
問題文の場合を、順番に描いていきましょう。
問題3-2 一次関数 平面図形の融合
① 点P $(2, 7)$ ならば
点Qは線対称の点なので
点Q $(-2, 7)$ となります。
直線 $m$ は一次関数なので
$y$=$ax+b$ とおけます。
$m$ は点Q$(-2, 7)$ と点B$(0, 3)$ を通るので
それぞれの $x$ 座標 と $y$ 座標を代入して
$ \left(\begin{array}{ll}7=-2a+b \\ -3=0 \times a + b \end{array}\right) $
$ \left(\begin{array}{ll}7=-2a+b \\ -3=b \end{array}\right) $
$ \left(\begin{array}{ll}7=-2a-3 \\ -3=b \end{array}\right) $ ($b$の値を代入)
$ \left(\begin{array}{ll}10=-2a \\ -3=b \end{array}\right) $
$ \left(\begin{array}{ll}a=-5 \\ b=-3 \end{array}\right) $
以上より
直線 $m$ の式は
$y=-5x-3$
② 「平面図形の融合」の問題では、「わからない座標は文字で置いておく」という解法があります。
まずは問題文のデータを、書きこみしましょう。
点Pの $x$ 座標 を $t$ とおくと
点Pは直線 $y=-x+9$ の上にあるので
点Pの $y$ 座標 は $-t+9$ となります。
この時
点Qは線対称の点なので
点Q $(-t, 9-t)$ となります。
問題3-2 一次関数 平面図形の融合
座標が定まったら、図形の面積を求めていきます。
図形が計算しやすいように、QPの中点をWとおきます。
$\triangle$BPQ=底辺QP $\times$ 高さWB $\times \frac{\Large 1}{\Large 2}$
=$\{t-(-t)\} \times \{(9-t)-(-3)\} \times \frac{\Large 1}{\Large 2}$
=$12t-t^2$ となります。
$\triangle$BAPは、図形を工夫して計算します。
図形が計算しやすいように、点Cを定めます。点Cは、点Aと $x$ 座標が同じで、点Bと $y$ 座標が同じとします。
$\triangle$BAP=五角形ACBWP-$\triangle$PBW-$\triangle$ABC ・・・(1)
五角形ACBWP=台形WPAO+長方形OACB
=$(t+9) \times (9-t) \times \frac{\Large 1}{\Large 2} + 9 \times 3$
=$\frac{\Large 1}{\Large 2}(81-t^2)+27$
=$\frac{\Large 135}{\Large 2}-\frac{\Large 1}{\Large 2}t^2$ ・・・(2)
$\triangle$PBW=$\frac{\Large 1}{\Large 2}\triangle$BPQ
=$6t-\frac{\Large 1}{\Large 2}t^2$ ・・・(3)
$\triangle$ABC=$9 \times 3 \times \frac{\Large 1}{\Large 2}$
=$\frac{\Large 27}{\Large 2}$ ・・・(4)
(1)(2)(3)(4)より
$\triangle$BAP=$(\frac{\Large 135}{\Large 2}-\frac{\Large 1}{\Large 2}t^2)-(6t-\frac{\Large 1}{\Large 2}t^2)-\frac{\Large 27}{\Large 2}$
=$-6t+54$
問題3-2 一次関数 面積の計算
以上より、
$\triangle$BPQ=$2 \times \triangle$BAP (仮定)
$12t-t^2$=$2(-6t+54)$
$-t^2+24t-108$=$0$
$t^2-24t+108$=$0$
$(t-6)(t-18)$=$0$
$t$=$6, 18$
問題文より $0 < t < 9$ なので
$t$=$6$
点Pの $x$ 座標は
6である。
質問と回答