東京都立高校 数学 共通試験 > 過去問2018年問題5 > 問題・解答・解説・傾向
立体図形からの出題です。都立高校は、後半に立体図形が出題されます。難易度は、毎年、設問1は簡単で、設問2は難しく設定されています。設問1を確実に得点できるように、過去問演習しておきましょう。
問題5-1 立体図形 三角柱:
問題文に「角度のデータ」が与えられていません。このような場合は「正三角形」や「直角二等辺三角形」などの特殊図形が、隠れているのが定石です。
解法 「角度データがない場合は、特殊図形が隠されている」
問題5-1 立体図形 三角柱
それでは隠れている図形を発見するために、データを書きこみしていきましょう。
辺AB=辺AC=9cm、 $\angle$BAP=$90^\circ$ なので
$\triangle$ABP は直角二等辺三角形です。
三平方の定理より
$BP^2$=$AB^2+AP^2$
よって辺BP=$9\sqrt{ 2 }$
問題5-1 立体図形 三角柱 データ書き込み
同様に、 $\triangle$ABD と $\triangle$ADP も直角二等辺三角形なので
辺BD=$9\sqrt{ 2 }$
辺DP=$9\sqrt{ 2 }$
問題5-1 立体図形 正六角形と正三角形
以上より
$\triangle$BPD は三辺が等しいので、正三角形となります。
$\angle$BPD は正三角形の内角なので
$\angle$BPD=
$60^\circ$
問題5-2 立体図形 三角柱:
立体図形の体積の問題で、底面に注目しましょう。
都立高校の立体問題では、一見すると「計算できなそうな立体図形」が登場します。その場合は、頭をやわらかくして、底面を探してみましょう。
解法 「
計算できなそうな立体図形は、底面を探す」
問題5-2 立体図形 三角柱
底面を $\triangle$ABD として立体図形を考えていきましょう。
問題5-2 立体図形 三角柱
立体の底面積=$\triangle$ABDの面積なので
立体の底面積=$9 \times 9 \times \frac{\Large 1}{\Large 2}=\frac{\Large 81}{\Large 2}$ ・・・①
問題5-2 立体図形 円柱の側面図
続いて、立体図形の高さを求めます。
平面図(真上から見た図)を描いてみます。
点Pから辺ABへ垂線を引き、交点をHとします。
辺PHが、立体図形の高さになります。
ここで点Mは辺EFの中点であり、平面図では辺BCの中点と重なります。
よって辺BM:辺MC=1:1
さらに辺MP:辺PC=1:2なので
比を整理すると
辺BM:辺MP:辺PC=3:1:2
辺BP:辺PC=3+1:2=2:1
$\triangle$ABCと$\triangle$HBPは相似であり
相似比は 辺BC:辺BP=3:2
よって辺AC:辺HP=3:2=9cm:6cm ・・・②
以上の①②より
立体図形P-ABDは三角錐なので
立体図形P-ABDの体積
=底面積 $ \times $ 高さ $ \times \frac{\Large 1}{\Large 3}$
=$\triangle$ABD $ \times $ 辺HP $ \times \frac{\Large 1}{\Large 3}$
=$\frac{\Large 81}{\Large 2} \times 6 \times \frac{\Large 1}{\Large 3}$
=
$81cm^3$
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