中学受験 前倒し?

中学受験 前倒し?

中学受験 前倒し?

中学受験 前倒し?

現代の中学受験は、小学4年生から開始するのが相場となっています。進学塾や家庭教師によっては、さらに早めて小学3年生からの教材を用意している場合もあります。以前は、小学5年生からでも間に合うという雰囲気がありましたが、中学受験カリキュラム の前倒しは着実に進んでいます。

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カリキュラム 前倒し 例

わかりやすい例として、四谷大塚の教材である予習シリーズの改定が、挙げられます。戦後からの中学受験の老舗であり、民間の中学受験教育のブランドとなった四谷大塚も、伝統的に用いていた教材を改定し、カリキュラムの進度を早めました。

改定前の予習シリーズの算数のカリキュラムは、小学6年生の1学期までに、算数のカリキュラムの履修を終えるよう設計されていました。そしてそのあとの小学6年生の夏休み・2学期・冬休みで、復習・演習・過去問という流れでした。

しかし、改定後のカリキュラムは、小学5年生の3学期までに、算数のカリキュラムの履修を終えます。実質的には、中学受験のカリキュラムは、6か月近く、前倒しで履修を終えるようになりました。前倒しによって確保した時間は、小学6年生から丸1年間かけて、演習と学校別対策になります。12歳という年齢では、6か月は人生の24分の1に当たり、学習計画の差は、強い影響を持ちます。

進度の早い教材は、理解の早い子供にとっては良い影響がありますが、いちど消化不良を起こすと、次々にカリキュラムが進んでいってしまいますので、理解の遅い子供は、置いていかれる可能性も上がります。カリキュラムの進度が早まっただけに、しっかりと学力を定着していく生活習慣が大事になってきます。

カリキュラム 前倒し 理由

中学受験の開始時期が、小学4年生へと早まった理由は、いくつか考えられます。

児童の能力発達の早熟化や教育環境の充実も、確かに影響があると思います。しかし、もっとも影響が大きいのは、知識の変化によるものでしょう。

カリキュラム 前倒し 知識の変化

カリキュラム 前倒し 知識の変化

カリキュラム 前倒し 知識の変化

現代の中学受験カリキュラムは、単純な知識の暗記ではなく、ますます知識の活用を求めるようになっています。上位難関校であればあるほど、受験者は記述による解答を求められ、丁寧な採点によって、素質のある生徒が合格しています。

例えば、画像は、2017年の栄光学園中学の記述問題です。栄光学園は神奈川御三家と呼ばれ、揺るぎない実績・伝統を持っています。また、戦後にいち早く、大学受験用の英語教材であるプログレスを編集したことでも有名です。

栄光学園中学の理科では、受験者は200文字程度の科学的な記述を求められます。物の名前を単純に覚えたり、計算をやみくもに解くのではなく、物事の因果関係をきちんと理解し、言葉で表現できる能力が求められています。

今後は、知識を記憶するための中間層・下位層向けの教材と、知識を活用するための上位層向けの教材が、区別されていくことが予想されます。

中学受験が一般に浸透し、競争のなかでノウハウが蓄積されていくなかで、より洗練されたカリキュラムに進化していっているのではないでしょうか。

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