中学受験カリキュラムとは
中学受験カリキュラムとは
中学受験カリキュラムとは、12歳の段階で、中学受験に必要な学力を育成するための、民間のカリキュラムです。日本の私立中学受験の伝統のなかで、生まれてきたものを指します。
中学受験カリキュラムとは、12歳の段階で、中学受験に必要な学力を育成するための、民間のカリキュラムです。日本の私立中学受験の伝統のなかで、生まれてきたものを指します。
中学受験カリキュラムは、いわゆる公立小学校カリキュラムとは、一線を画します。
公立小学校カリキュラムは、学習指導要領にもとづき、教材として検定教科書を利用して、授業が進みます。対して、中学受験カリキュラムは、民間の独自カリキュラムにもとづき、教材として検定教科書を利用しません。
公立小学校カリキュラムは、4科目 (算国理社) の基礎知識の導入に重点が置かれ、より高度な解法には、あまり触れていません。対して、中学受験カリキュラムでは、より高度な解法を習得し、入試が解けるように、演習を繰り返します。
解法という点でいえば、算数が比較しやすいです。トップの画像で紹介している問題は、2018年の灘中学の入試問題です。灘中学は、関西の難関私立中学で、伝統・実績ともに、日本を代表する学校です。この算数の図形問題を正答するためには、補助線の利用・比の利用・逆算などの高度な解法が求められます。
もちろん、公立小学校の算数の検定教科書にも、平面図形の正三角形は登場します。しかし、公立小学校の検定教科書には、灘中学の算数に必要な解法は、登場していません。
小学生 (6歳から12歳) 向けの教材という点では、中学受験カリキュラムも公立小学校カリキュラムと同じですが、内容にはかなりの差があります。
【参考】 公立小学校カリキュラム 図形分野
学年 | 図形 |
---|---|
小1(7歳) | 身のまわりのものの形 図形の方向 |
小2(8歳) | 三角形と四角形 |
小3(9歳) | 二等辺三角形と正三角形 円と球 |
小4(10歳) | 角度 面積(cm² m²) 台形と平行四辺形とひし型 立方体と直方体 |
小5(11歳) | 円周率 体積(cm³ m³) 合同 |
小6(12歳) | 拡大と縮小 対称 |
中学受験カリキュラムには、公立小学校カリキュラムにはない単元も学習します。
例えば、算数では、特殊算・数の規則性・数の性質・方程式なども、実質的に学習しています。
特殊算とは、和差算・仕事算・流水算・つるかめ算などの文章題の計算技術です。
数の規則性は、高校数学では「数列」の内容ですが、中学受験では「数の規則性」という名称で登場します。
数の性質は、高校数学では「整数論」の内容ですが、中学受験では「数の性質」として登場します。数の性質は、難関校では必須の単元となっています。
方程式は、「方程式」という名前は用いずに、〇や△という記号を用います。
実質的には、小学校の算数を超えて、高校数学までの範囲も含まれています。高校数学まで待たなくとも、先に学べる単元は、学んでしまおうというのが、中学受験カリキュラムでしょう。
中学受験カリキュラムの教材としては、以下のものが有名です。
四谷大塚:予習シリーズ・四科のまとめ
サピックス:デイリーサピックス・コアプラス
日能研:栄冠への道
浜学園:算数のとも・国語のとも
大手塾では、中学受験カリキュラムを効率的に履修できるように、教材のラインナップを揃えています。ラインナップに目を通しておくと、それぞれの塾の学習方針が伝わってきます。
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