口の慣用句

口の慣用句

口の慣用句

口の慣用句

口にまつわる慣用句をまとめています。

口には、人間の言動・人間の生活という意味があります。

口を開くと、話がはじまり、口火を切ると、物事が開始され、大きな口をきくと、偉そうな態度になります。口が干上がると、生活のためのご飯に困り、糊口を凌ぐと、生活のために働くことになり、口が掛かると、仕事の注文が入り、口が肥えると、おいしい食べ物に慣れています。

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慣用句 口

【大きな口をきく】

ひらがな:おおきなくちをきく
意味:実力に見合わないのに、威張って、大げさなことを言うこと。
例文1:一緒に仕事を始めたころから、助手のくせに大きな口をきくなとは思っていた。
例文2:あなたは命の恩人なので、この町であなたに大きな口をきく人間がいたら、私があなたを守ろう。


【大口を叩く】

ひらがな:おおぐちをたたく
意味:偉そうなことを言うこと。
例文1:そこまで自分は強いと大口を叩くのならば、まずは私を倒して証明して見せなさい。
例文2:彼は大口を叩く割には、大した仕事をしないから、みんなから嫌われているんだ。


【口裏を合わせる】

ひらがな:くちうらをあわせる
意味:事前に打ち合わせをして、話の筋道が合うようにすること。
例文1:彼の性格を見るところ、がんの告知をしては精神的に参ってしまうのではないかということで、家族は軽い胃の病気と、そろって口裏を合わせることにした。
例文2:彼は容疑者五名の取調べを一応すませたが、五名ともに口裏を合わせてでもいるかのように、同じことを述べるのだった。


【口が上手い】

ひらがな:くちがうまい
意味:話が上手なこと。口先で人をたくみにまるめこむこと。
例文1:あのセールスマンは口が上手いので、話にのせられて買いそうになった。
例文2:あの人は口が上手いから、人気がある。


【口がうるさい】

ひらがな:くちがうるさい
意味:あれこれとやかましく噂をすること。
例文1:書いた本がベストセラーになったとたん、世間の口がうるさくなったのだが、それも有名になった証拠と受け流すことにした。
例文2:近所の人の口がうるさいので、近くの食品スーパーにいくだけでも、気を遣わねばならない。


【口が奢る】

ひらがな:くちがおごる
意味:おいしい物ばかり食べ慣れているので、食べ物に贅沢になること。おごるは贅沢になること。
例文1:彼は口が奢っているので、なかなかおいしいとは言わない。
例文2:彼は、美食家で口が奢っているから、食事に誘う時、店選びに困ってしまう。


【口が重い】

ひらがな:くちがおもい
意味:口数が少ないこと。しっかりと秘密を守ること。
例文1:大会の日が近づくにつれて緊張のためなのか、集中しているのかわからないが口が重くなっていった。
例文2:他人のことはよく話すのに、自分のこととなると口が重い。


【口が掛かる】

ひらがな:くちがかかる
意味:仕事の注文が入ること。もともとは芸人がお客さんの座敷に呼ばれること。
例文1:手品が得意な彼は、宴会というと必ず口が掛かるので、日々練習を怠らない。
例文2:人数が足りないのでから、土曜日が空いているならバイトに入ってくれと、口が掛かった。


【口が堅い】

ひらがな:くちがかたい
意味:いってはならないことを、ほかの人にいわないこと。
例文1:彼は口が堅いので内部情報の管理を任されている。
例文2:容疑者を任意同行したが、口が堅く、何も得られなかったので、他の証拠を探さねばならない。


【口が軽い】

ひらがな:くちがかるい
意味:おしゃべりで、言ってはいけないことまでべらべらしゃべること。
例文1:口が軽い人に話す時は注意しないと最後に困るのは自分だ。
例文2:誰にもいってはいけないといわれると、余計に話したくなる僕は、口が軽い。


【口が肥える】

ひらがな:くちがこえる
意味:ごちそうばかり食べていて、味にうるさくなること。
例文1:彼女は口が肥えているうえに、おいしいものへの執念が尋常ではなく、おいしいという話を聞けば海外であろうが飛んでいく。
例文2:彼は、いろんな国の有名店で厳しい修行に耐えただけあって、口が肥えているうえに腕も確かなのである。


【口が滑る】

ひらがな:くちがすべる
意味:ついうっかりと言ってはいけないことを言ってしまうこと。
例文1:友人に、そのかばんは偽物なのではないかと口が滑って言ってしまったが、言わなければよかった。
例文2:よく言うと正直なのだが、悪く言うと口が滑って人を傷つけることが多いので、何とかしたいと思う。


【口が干上がる】

ひらがな:くちがひあがる
意味:生計の手段を失って、生活できなくなること。
例文1:不況で仕事を失い、このままでは口が干上がってしまう。
例文2:父がケガをして、母は体が弱く、祖父が遺した土地が無ければ、早々に口が干上がってしまっていただろう。


【口が減らない】

ひらがな:くちがへらない
意味:口が達者であること。勝手なことを次から次へと言うこと。
例文1:ああ言えばこう言う、本当に口が減らない子だねえ。
例文2:彼は口が減らない人間で、屁理屈ばかりいうから、あまり話したくないんだ。


【口が回る】

ひらがな:くちがまわる
意味:よどみなくすらすらとしゃべること。
例文1:あの奥さんはよく口が回るから、道ばたで会うと話が長くなって困るのです。
例文2:無口な祖父だが、生きがいにしているお茶の話になると、よく口が回るんだ。


【口から先に生まれる】

ひらがな:くちからさきにうまれる
意味:おしゃべりでいつもしゃべっている人のこと。
例文1:あの子は四六時中、ペラペラとよく喋っているが、口から先に生まれたようだ。
例文2:口から先に生まれたような子だと言われていた彼は、大きくなって有名な落語家になった。


【口が悪い】

ひらがな:くちがわるい
意味:人の悪口やにくまれ口を平気でいうこと。
例文1:おばあちゃんは口が悪いが、本当は優しいのを僕は知っている。
例文2:正しいことをいっているけど、わざわざ本人に言わなくてもいいのに。あの人は口が悪いなあ。


【口車に乗る】

ひらがな:くちぐるまにのる
意味:うまい言い回しにだまされること。口車は、おだてたりだましたりすること。
例文1:この数日の間、私は彼の口車に乗せられていただけで、あれは嘘で、彼に騙されていたのか
例文2:あんな奴の口車に乗せられていたなんて、自分自身への悔しさと腹立たしさで、地団太を踏んだ。


【口に合う】

ひらがな:くちにあう
意味:食べものの味が、好みに合っていること。
例文1:イタリアから日本に友人が遊びに来る予定なのだが、日本料理が口に合うか心配である。
例文2:大好きな彼にバレンタインのチョコを作ったが口に合うか不安である。


【口にする】

ひらがな:くちにする
意味:食べたり飲んだりすること。言葉にして話すこと。
例文1:会議で出されたお茶を口にする。
例文2:他人なら決して言わないようなひどいことも家族の間では口にするんです。


【口に出す】

ひらがな:くちにだす
意味:心のうちにたまったものを、話すこと。
例文1:お互いに、自分の考えを口に出したことは無かったけれども、彼も私も同じ考えを胸に秘めていると私は感じていた
例文2:私は事実を知っていたけれども、ただの一度もそのことを口に出したことはありません。


【口に上る】

ひらがな:くちにのぼる
意味:うわさになり、人の話題に登場すること。くちにあがるではなくくちにのぼる。
例文1:あなた達ふたりのことは、すでに人の口に上るまでになっているのですよ、ご存知でしたか。
例文2:やがて二カ月も過ぎたころ、彼女の噂は人々の口に上らなくなり、誰もが彼女を忘れていった。


【口幅ったい】

ひらがな:くちはばったい
意味:身の程もわきまえず、生意気なことを言うこと。
例文1:自分自身の諸問題さえ満足に解決できない私がこんなことを言うのは口幅ったいのですが。
例文2:演技をしたこともない私が言うのは口幅ったいけれども、役者にとってはどんな経験も演技の勉強だと思うの。


【口火を切る】

ひらがな:くちびをきる
意味:ものごとを最初に始めるきっかけをつくること。
例文1:村長が会議の口火を切った。
例文2:今回の騒ぎの口火を切ったのは、彼ではないかと疑っている。


【口を利く】

ひらがな:くちをきく
意味:ものごとがうまく運ぶように、人と人の活動を調整すること。
例文1:就職をするとき、大学の恩師に口を利いてもらった。
例文2:魚の研究をしているので、知人に口を利いてもらい漁師の船に乗せてもらった。


【口を極める】

ひらがな:くちをきわめる
意味:これ以上ないほどに徹底的に言うこと。
例文1:先生は、生徒の一生懸命努力する姿を見て、口を極めて称賛した。
例文2:彼は、新入社員の失敗にも、口を極めて叱責するので、どんどん新人が辞めていく。


【口を酸っぱくする】

ひらがな:くちをすっぱくする
意味:何回も同じことを繰り返して言うこと。
例文1:信号を守りなさいと、弟たちには何度も口を酸っぱくして注意している。
例文2:靴を脱いだら揃えておくようにと、口を酸っぱくして教えたおかげで、外出先で、しっかりしていますねと褒められる。


【口を揃える】

ひらがな:くちをそろえる
意味:べつべつの人が同じことをいうこと。
例文1:まだ若い二人の結婚を、周りの人はみな口を揃えて反対した。
例文2:新しいクラスになり、生徒が口を揃えておもしろい先生という先生が担任になりうれしかった。


【口を出す】

ひらがな:くちをだす
意味:自分に関係のない話へ割りこんで、あれこれと意見を言うこと。
例文1:となりの夫婦の喧嘩がひどいので口を出しにいったら、鍋が飛んできたので家に帰った。
例文2:友人が喧嘩をしていたので、どちらも悪いといったら、横から口を出すなと怒られた。


【口を衝いて出る】

ひらがな:くちをついてでる
意味:自然に言葉がでてくること。不意に言葉になって出てしまうこと。
例文1:昔覚えた詩の一節が、思わず口を衝いて出た。
例文2:話に夢中になると、思わず方言が口を衝いて出てしまうことがあるが、普段は隠している。


【口を噤む】

ひらがな:くちをつぐむ
意味:何も言わずに黙っていること。秘密を守ろうとすること。
例文1:言いかけて口を噤むなんて、気になるじゃないか。
例文2:ふと思いついて、いおうとしたけれども、秘密だったことを思い出して口を噤んだ。


【口を尖らせる】

ひらがな:くちをとがらせる
意味:不満なこと。怒ったり、言い争ったりするときに、くちびるを前に突き出して、尖らせること。
例文1:約束を忘れていたことを謝ったが、口を尖らせたままだった。
例文2:妹はいつも、ちょっと気に入らないとすぐに口を尖らせる。


【口を閉ざす】

ひらがな:くちをとざす
意味:黙って何も言わないこと。
例文1:彼女は、気に入らないと思った人に対しては、口を閉ざし、二度とその人とは口をきかなかった。
例文2:彼は目をつむって動かないが、そのまま、貝のように口を閉ざし通してしまうつもりなのだろうか。


【口を濁す】

ひらがな:くちをにごす
意味:つごうが悪いことをはっきりいわないで、あいまいにすること。
例文1:救急車に運ばれた彼の容態がどうなのかきいたが、彼女は口を濁した。
例文2:べつになんでもないと口を濁されると、気になるが、聞くのもも悪い気がして一人で葛藤した。


【口を拭う】

ひらがな:くちをぬぐう
意味:何か悪いことをしていながら、知らないふりをすること。知っているのに知らないふりをすること。
例文1:彼に罪をきせて、口を拭って知らん顔をしているあの人が信じられない。
例文2:花瓶を割ったのは彼なのに、先生の前では口を拭い、平然とした顔をしている。


【口を挟む】

ひらがな:くちをはさむ
意味:人が話をしている途中に、わりこんでしゃべること。
例文1:話の途中だったが、ふと疑問が浮かび、思わず口を挟んでしまった。
例文2:理解不十分なまま、専門外の分野に口を挟むと、恥をかくことがある。


【口を開く】

ひらがな:くちをひらく
意味:話を始めること。
例文1:彼女は、僕の顔を見て、何か答えようと思ったのか、口を開こうとしたものの、結局は何もいわなかった。
例文2:学級会で、委員長が問いかけた時、口を開くのは、いつも同じ顔ぶれなので、広くみんなの意見を聞くためにはどうしたらいいだろう。


【口を塞ぐ】

ひらがな:くちをふさぐ
意味:圧力をかけて、しゃべらせないようにすること。
例文1:噂が広がらないように、なんとかして彼の口を塞いでおきたい。
例文2:彼は、この会社の秘密を知ってしまったので、300万円を渡して口を塞いだよ。


【口を割る】

ひらがな:くちをわる
意味:問い詰められて、秘密をしゃべること。白状すること。
例文1:週間取り調べをしていたが、やっと容疑者が口を割った。
例文2:花壇を荒らしたのはだれか問い詰めたら、彼女はあっさり口を割った。


【口角泡を飛ばす】

ひらがな:こうかくあわをとばす
意味:激しくしゃべったり、議論したりすること。口角は口の左右の切れ目のこと。慌てて話すと、そこから唾液の泡が出るようになること。
例文1:その部屋に入ると、三人の紳士が最近の政治に関するニュースについて、口角泡を飛ばしていた。
例文2:生徒たちはそれぞれいくつかのグループに分かれ、新聞を広げて口角泡を飛ばし合っているが、興奮のるつぼとはこのことをいうのだろう。


【糊口を凌ぐ】

ひらがな:ここうをしのぐ
意味:ご飯を食べるのがやっとという生活のこと。糊はおかゆのようなご飯のこと。
例文1:彼は、手先の器用さを活かし、自転車の修理で糊口を凌いでいた時期がある。
例文2:彼は、俳優の付き人をしながら糊口を凌ぎ、演技の勉強をつづけ、苦労した分、今のような演技派の俳優になったのだった。


【御猪口になる】

ひらがな:おちょこになる
意味:差していた傘が、風にあおられて、逆向きに開くこと。おちょことはお酒を飲むさかづきのこと。
例文1:昨日の暴風雨のせいで、御猪口になった傘の修理の依頼が店にたくさん舞い込んできて、大忙しだ。
例文2:突然、猛烈な風が吹き、私のお気に入りの傘が御猪口になった。


【序の口】

ひらがな:じょのくち
意味:物事の初めのこと。もともとは相撲の世界の一番はじめの階級で、入口のこと。
例文1:研究のまだほんの序の口の段階に過ぎない。
例文2:寒さも序の口で、本格的な冬はまだこれからです。


【開いた口が塞がらない】

ひらがな:あいたくちがふさがらない
意味:予想外の出来事に、驚いていること。驚いて、人間の口がぽかんと開くこと。
例文1:また同じミスを繰り返したのか。開いた口が塞がらないよ。
例文2:あの人が捕まったなんて信じられない。開いた口が塞がらないよ。


【減らず口を叩く】

ひらがな:へらずぐちをたたく
意味:口が達者であること。勝手なことを次から次へと言うこと。
例文1:ああ言えばこう言う、本当に減らず口ばかり叩いている子だねえ。
例文2:彼は減らず口ばかり叩いているので、あまり話したくないんだ。

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