勉強のやる気を高める意欲術をまとめ解説しています。プロ家庭教師の教育研究です。
【やる気が出ないのはなぜか】
「勉強しよう」と頭で思っていても、ついつい他のことをして、だらだらと時間を過ごしてしまう時があります。なぜこのような出来事が起きるかと言いますと、人間は理性だけで動く生物ではないからです。
人間の脳には理性を司る司令塔があります。この司令塔がいくら命じても、身体が疲労していたり、感情が不安定になっていたりすると、人間は理性的に行動できないことがわかっています。
例えば、頭では理性的に「勉強しよう」とわかっていても、もし身体が睡眠不足ならば「勉強したくても寝てしまう」ことになります。睡眠不足は、原因がわかりやすい障害ですが、他にも生徒の学習意欲を下げているものがあります。
【勉強しようから勉強したいへ】
そこで10代の生徒でもすぐに実践できる意欲術を、プロ家庭教師として解説します。家庭や学校という日常場面で、すぐにお試しできて、効果ありのものを選んでいます。
意欲が自然と湧いてきて、「勉強しなければいけない」という理性だけの状態から、「勉強したい」と全身で取り組めるようになりましょう。
【取りかかるまでの時間を短くする】
意欲を高めるために、勉強に取りかかるまでの時間を短くしましょう。例えば、勉強するやる気が出ても、机の上が散らかっていて、掃除から始めなければならないとしたら、意欲は減退して「萎えて」しまいます。意欲を高めるためには、勉強の障害を、あらかじめ減らしておくことが大事です。
意欲向上効果 | 対策 |
× | ものを片付けないと勉強が始められない |
× | プリントの整理から始めなければいけない |
〇 | やる気が出たら15秒以内に勉強に取りかかれる |
【遊びと勉強を分ける】
意欲を高めるために、遊ぶ時間と勉強する時間を分けましょう。気を付けなくてはいけないのは、「遊び」はなくせないということです。「遊び」は脳の成長に必要だと考えられています。あくまで「遊び」と「学び」を分けて、中途半端な状態にしないようにしましょう。
例えば、好きなテレビ番組やスマホが近くにある場合は、そわそわして勉強の意欲が削がれます。あるいは、教科書と娯楽雑誌が分かれていない場合は、教科書を読まずに、ついつい目についた雑誌をと手に取ってしまいます。本の表紙は目に入るだけで、無意識に注意を奪います。
意欲向上効果 | 対策 |
× | 教科書と娯楽雑誌が混ざっている |
× | スマホを部屋に持ちこんでいる |
× | テレビやパソコンが子供部屋に置いてある |
〇 | 遊ぶ部屋と勉強する部屋が分かれている |
【課題を小分けにする】
意欲を高めるために、課題を小分けにしましょう。崇高な理想は、人を一瞬だけは奮い立たせますが、課題が具体的でなければ、人は行動に移せません。「思っているだけで行動に移せない」のは、具体的な手順が明確ではないからです。
例えば、「数学をがんばる」と考えるのでは、次に何をすればいいのか、不明確です。そこで「数学1Aの二次関数の問題集を解く」というように、課題を小分けにして、「自分が次に何をするべきか」を明確にしましょう。
意欲向上効果 | 対策 |
× | 数学をがんばる |
△ | 数学1Aを解く |
〇 | 数学1Aの二次関数を極める |
【予定を詰めない】
意欲を高めるために、予定を詰めないようにしましょう。予定を詰めてしまうと、心の余裕がなくなり、物事への集中力がかえって妨げられます。スケジュールをびっしり詰めるよりも、適度にゆるみがある方が、人間は勉強するようになります。
例えば、「休みなくスケジュールを入れる」ことをするよりも「不要なスケジュールを入れない」という心掛けで、予定を立てましょう。
意欲向上効果 | 対策 |
× | 休みなくスケジュールを入れる |
△ | スケジュールを決める |
〇 | 不要なスケジュールを入れない |
【目標を夢見る】
意欲を高めるために、目標を夢見ましょう。勉強する理由は、人それぞれですが、将来像を明確にすることで、勉強する意欲を高めることができます。現在という時間が、将来という時間と結びつけることで、
例えば、「いい職業につきたい」では目標が曖昧です。そこで「医師になりたい」や「医師になると年収がXX円でXXの
研究ができる」と将来像を描きましょう。志望校の調査をしたり、オープンキャンパスに行くことも、将来像を描くために役立つでしょう。
意欲向上効果 | 対策 |
× | いい職業につきたい |
△ | 医師になりたい |
〇 | 医師になると年収がXX円だ |
〇 | 学校訪問(オープンキャンパス)に行く |
〇 | XX歳でこういう自分になりたい |
【勉強を習慣化する】
意欲を高めるために、勉強を習慣化しましょう。人間が「ついついスマホを見てしまう」のは習慣の力によります。習慣は理性とは異なるの脳の領域で生まれ、行動に影響を与えます。日々の生活の中で、自動的に勉強するようになれば、これほど心強いことはありません。習慣の力を味方につけて、意欲が持続的に高まるようにしましょう。
例えば、「気が向いたら勉強する」では、勉強が習慣化できていません。そこで「通学時間は座って読書をする」ことにして、勉強を習慣化しましょう。1日のある時間に、身体が自動的に動くようになりましょう。
意欲向上効果 | 対策 |
× | 気が向いたら勉強する |
△ | 気が向いたら図書館に行って勉強する |
△ | 通学時間は座って読書をする |
〇 |
お風呂では英単語の暗記をする |
〇 | 寝る前に数学を一問解く |
【適度に運動をする】
意欲を高めるために、適度な運動をしましょう。運動が上手である必要はなく、自分なりに「汗を書いてすっきりする」だけで大丈夫です。運動は、健康増進とともに、学習に良い影響があることがわかっています。
例えば、「眠る前にストレッチ」をしたり「土日のどちらかは1時間の水泳」をしてもよいでしょう。適度な運動をして、学習にメリハリをつけましょう。
意欲向上効果 | 対策 |
× | 毎日勉強ばかりする |
〇 | 眠る前に全身をストレッチする |
〇 | 部活がない日は1時間ランニングする |
〇 | 土日のどちらかは1時間水泳をする |
【参考文献】
生活習慣 基本
子供がニート家庭の共通点・対策・予防
Daniel Kahneman. Thinking Fast and Slow.
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