国語 過去問 東京都立高校 2018

国語 過去問 東京都立高校 2018

国語 過去問 東京都立高校 2018

国語 過去問 東京都立高校 2018

東京都立高校の過去問の解説です。

【試験名称】:都立高等学校入学者選抜 学力検査問題
【試験年度】:2018年
【大問総数】:5問
【大問1】:ことば 漢字
【大問2】:ことば 漢字
【大問3】:現代文 澤西祐典 辞書に描かれたもの
【大問4】:現代文 國分功一郎 中動態の世界
【大問5】:古文 陳舜臣 漢詩は人生の教科書
【試験時間】:50分
【出題者名】:東京都教育委員会
【出題範囲】:文部科学省 学習指導要領

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過去問 東京都立 2018 大問1

【出題分野】:ことば 漢字の読み
【小問総数】:5問
【目安時間】:2分

【出題内容】:繕う 舞踊 若干 惜敗 紛れて

【解説】:例年通り、漢字の読みが5問ほど出題されています。高校受験の漢字については、漢字検定の2級まで学習しておけば、対応できるので、早めに習得しておきたいです。

過去問 東京都立 2018 大問2

【出題分野】:ことば 漢字の書き
【小問総数】:5問
【目安時間】:2分

【出題内容】:ヒロう キョウリ キンム チュウサイ イキオい

【解説】:例年通り、漢字の書きが5問ほど出題されています。大問1と大問2は単純ですが配点は高いのでしっかりと完答しておきたいです。

過去問 東京都立 2018 大問3

【出題分野】:現代文 物語文

【小問総数】:5問
【目安時間】:14分
【文章字数】:3000文字+

【出題内容】:出典は、澤西祐典 (さわにしゆうてん) さんの辞書に描かれたもの
です。中学生の主人公であるわたしが、辞書が好きな友人の影響を受けて、辞書への興味を抱いていく物語文です。物語文の基本である心理変化がていねいに描かれている反面、文字数は多く、読解速度が求められます。

【解説】:小問4では、主人公が辞書に手を伸ばす理由をたずねています。
人間は、他人の行動を真似るだけではなく、他人の欲望も真似る性質を持っています。主人公のわたしは、上野と上野の母の行動を見て、そこにどのような欲望があるのか想像し、自分へと転移させています。
なお、欲望の転移は、しばしば芸術作品で描かれる主題ですが、十代の学生にとっては、企業の広告活動による欲望の転移も、見逃せません。
現代では、企業は芸能人を雇い、自社の製品を消費する姿を見せることで、十代の消費者に欲望を転移させます。欲望や意欲との出会いが、どのようにして発生するのか、考察する出題です。

【用語】:読書離れ デジタル化 欲望

過去問 東京都立 2018 大問4

【出題分野】:現代文 説明文
【小問総数】:5問
【目安時間】:20分
【文章字数】:3000文字+
【記述字数】:200文字

【出題内容】:出典は、國分功一郎 (こくぶんこういちろう) さんの中動態の世界です。哲学の自由意志が主題となっており、人間の行為を能動と受動に区別することの限界を指摘し、自らの意志によって行動するとはどのようなことなのか、考察しています。

【解説】:小問5は、例年通り、200文字の記述となっており、内容も、自らの経験を述べるものとなっています。

テーマは、「自分の意志」です。まずは問題文で「意志」がどのように書かれているかを確認しましょう。

「ある人物の意志による行為と見なされるのは、その人が自発的に、自由な選択のもとに、自らでなしたと言われる行為のこと」
「意志は物事を意識していなければならない。つまり、自分以外のものから影響を受けている。にもかかわらず、意志はそうして意識された物事からは独立していなければならない。すなわち自発的でなければならない」

意志は、まわりのものから影響されて生まれますが、まわりのものから独立しているように扱うのが、意志となっています。このような能動でも受動でもない意志を、筆者は中動態と呼んでいます。

例えば、天気が良くて思わず鼻歌が出てしまったのか、それともうれしい気持ちを表そうと意志して歌っているのか、意志には不思議なところがあります。

押さえるべき内容は以下の2つです。

「意志のはじまりはまわりからの影響だということ」
「意志は自分がまわりから独立していると信じていること」

筆者の主張する意志を、具体的な経験に流しこめればよいでしょう。記述対策として、抽象的な概念に、自分の経験を肉付けする練習をしておきましょう。
なお、2020年の教育改革に向けて、日本のカリキュラムは、より記述に重点が置かれることがわかっていますが、公教育の集団授業では、どこまで生徒に記述指導できるのか、不透明ではあります。

【用語】 自由意志 能動 受動

過去問 東京都立 2018 大問5

【出題分野】:古文 漢文
【小問総数】:5問
【目安時間】:12分
【文章字数】:2000文字+

【出題内容】:出典は、陳舜臣 (ちんしゅんしん) さんの漢詩は人生の教科書です。現代文のなかに、夏目漱石の漢詩が引用されています。
漢文が、日本文化にどのような影響を与えてきたのか、平安の紀貫之・江戸の寺子屋・明治の夏目漱石などの歴史事例を通して、考察しています。対談集からの引用なので、文章は軽めで、読み易くなっています。

【解説】:小問2は、日本文化論です。日本史の知識として、日本語の成立についてあらかじめ理解しておくと、読解しやすくなります。
漢字が伝来する以前の日本列島には、すでにことばが存在していましたが、文字がありませんでした。
話し言葉と書き言葉の差は、まずは万葉仮名に、そして平安時代の仮名文字の発生へとつながり、現在の国語教科書では、訓読みと音読みとして残っています。

【用語】 紀貫之 寺子屋 夏目漱石

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