国語 過去問 東京都立高校 記述対策

国語 過去問 東京都立高校 記述対策

国語 過去問 東京都立高校 記述対策

国語 過去問 東京都立高校 記述対策

東京都立高校の記述問題の対策です。

都立高校の入試には、毎年、200文字の記述が出題されています。 記述問題を苦手と感じる生徒は、多いです。記述問題を1文字も書かずに、白紙で提出する生徒もいます。また、そもそもどのようにして勉強してよいか、わからない生徒もいるかもしれません。

そこで、都立高校の入試で得点できるように、記述問題の基礎を解説します。

なお、記述問題と同じ意味で、論述問題・作文問題という言葉も用いられます。

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過去問 東京都立 記述 苦手

記述問題の指導をしていて、よく耳にするのは、文章を書くことは、才能やセンスが必要という誤解です。
確かに、文才を持つ人間はいますが、試験の記述問題で求められているのは、才能ではありません。

求められているのは、しっかりとした日本語が書ける技術です。記述問題には、きちんとしたルールがあり、ルールを満たせれば、得点できます。

ルールには、形式ルールと内容ルールの2種類があります。

過去問 東京都立 記述 形式

文章の形式ルールとは、文字数言葉選び段落分けです。それぞれのルールを押さえておくと、得点が入ります。

文字数は、都立高校の入試では、200文字に指定されています。入試では、少なくとも指定された文字数の9割 (都立入試なら180文字以上) までは、記述を埋めましょう。文字数が足りない場合は、形式違反となり減点されてしまいます。なお、字数オーバーは、0点になってしまう場合もあるので、避けてください。

言葉選びは、きちんとした書き言葉があって、話し言葉や俗語がないか、確認しましょう。
記述問題の採点者は、さまざまな年齢の方が担当します。若い先生の場合もありますし、生徒のおじいちゃんやおばあちゃんぐらい年齢が離れている場合もあります。どのような世代の人間が読んでも、わかりやすい言葉を選んで、記述しましょう。

例えば、「スマホでツレを呼びだす」という文章は、仲の良い同世代の友人なら、言葉選びに問題がないかもしれませんが、他の世代の人間にはどう読まれるでしょうか。スマホは、スマートフォンの略語で、ツレは友達の俗語です。

記述問題なら「電話して友人を呼びだす」とわかりやすい言葉選びをするとよいでしょう。

段落分けは、文章をきちんと段落に分けて、見やすくすることです。記述の文字数が100文字を超える場合は、段落分けをすると読みやすくなります。
また、段落の先頭は、1文字開けるルールになっています。都立入試の記述問題には書き出し改行の際の空欄などもそれぞれ字数に数えよとあります。

過去問 東京都立 記述 内容

記述問題には、内容ルールがあります。記述問題は、自由作文ではありません。どのような内容を書くかは、問題文で指定されますので、内容を間違えないようにしたいです。

例えば、2018年の記述問題には、以下のように内容を指定しています。

国語の授業でこの文章を読んだ後、「自分の意志をもつこと」というテーマで自分の意見を発表することになった。このときにあなたが話す言葉を具体的な体験や見聞も含めて二百字以内で書け

テーマは、「自分の意志」です。出典は、國分功一郎 (こくぶんこういちろう) さんの中動態の世界です。 問題文で「意志」がどのように書かれているか確認しましょう。

「ある人物の意志による行為と見なされるのは、その人が自発的に、自由な選択のもとに、自らでなしたと言われる行為のこと」

「意志は物事を意識していなければならない。つまり、自分以外のものから影響を受けている。にもかかわらず、意志はそうして意識された物事からは独立していなければならない。すなわち自発的でなければならない」

意志は、まわりのものから影響されて生まれますが、まわりのものから独立しているように扱うのが、意志となっています。このような能動でも受動でもない意志を、筆者は中動態と呼んでいます。

例えば、天気が良くて思わず鼻歌が出てしまったのか、それともうれしい気持ちを表そうと意志して歌っているのか、意志には不思議なところがあります。

押さえるべき内容は以下の2つです。

「意志のはじまりはまわりからの影響だということ」
「意志は自分がまわりから独立していると信じていること」

過去問 東京都立 記述 具体例

都立高校の入試では、抽象的なテーマが出題され、そこへ自分の経験を具体例として記述します。 あらかじめ、テーマに合わせて自分の経験を整理しておきましょう。

過去のテーマ一覧

年度テーマ字数
2018自分の意志をもつこと200字
2017食生活と歴史200字
2016基本を身につけること200字
2015取り合わせの美200字
2014環境の持続性200字

過去問 東京都立 記述 構成

記述問題は、きちんと構成を練りましょう。構成を練らずに、いきなり書き始めてしまうと、最終的に、文字数が埋まらなくなったり、反対に、書きすぎて文字数が足らなくなったりします。

そうならないように、構成にかける時間を長めに取りましょう。急がば回れです。急いで書く必要はありません。

都立高校の国語の入試は、全体で50分です。そのうち、記述問題に当てる時間は10分が目安です。記述問題のための10分のうち、構成に6分、清書に4分が目安です。

過去問 東京都立 記述 実況

それでは、実際に2018年度の都立高校の記述問題を、実況しながら解いていきましょう。

ますはテーマ「自分の意志をもつこと」について自らの経験から、具体例を挙げましょう。意志は抽象的に述べられていますので、自分の経験で肉付けしていきます。

すると、1分ぐらいで以下の3つの具体例が挙がりました。


料理がうまくなりたいと思ったこと
プログラミングがうまくなりたいと思ったこと
自転車で旅行に行こうとしたこと


ここでは「自転車で旅行にいこうとしたこと」を選びます。場面が多くて、きっと書きやすいと思ったからです。

続いて、構成を練っていきます。アイデアを箇条書きにしていきます。

あるときに、私は自転車に乗って遠出したくなった。
遠くの街に、有名な美術館があった。
遠くの街には、電車も通っていた。
電車の旅行と自転車の旅行は別のものに感じた。
自転車の性能が良かった。
道路が舗装されてキレイで安全だった。


アイデアを、内容に合わせて2つのグループに分けます。

グループA:「意志のはじまりはまわりからの影響だということ」
遠くの街に、有名な美術館があった。
遠くの街には、電車も通っていた。
自転車の性能が良かった。
道路が舗装されてキレイで安全だった。

グループB:「意志は自分がまわりから独立していると信じていること」
あるときに、私は自転車に乗って遠出したくなった。
電車の旅行と自転車の旅行は別のものに感じた。


ここまでが、記述問題の構成です。構成を終えたら、抽象と具体のバランスを取って、200文字で清書していきましょう。

【解答例1】

 あるとき、私は自転車に乗って遠くの街へ旅行がしたくなりました。その街には、有名な美術館があり、電車も通っていましたが、なぜか自分の力で自転車をこぎたくなりました。その時の私は、自転車で旅行する意志が、私の心から登ってくるように感じました。
 しかし、その意志は、まわりの影響で生まれるのかもしれません。性能の良い自転車や、舗装された道路や、魅力的な美術館も、私の意志に影響を与えたのかもしれません。(200字)



また、東京都教育委員会が発表している模範解答も、合わせて掲載しておきます。

【解答例2】

 習い事を選んだ理由を友達に聞かれ、「ピアノが好きだから。と私は答えました。しかし改めて考えると、幼い頃にピアノをひいている母の姿を見て、私も母のようにひきたいと思ったことがきっかけだと気付きました。
 自分の意志で決めたと思っていた選択には母の影響がありました。私は今、ピアノに関わる仕事につきたいと考えています。今後も様々な人から影響を受けると思いますが、自分の意志を大切にしていきたいと思います。(200字)



なお、記述問題の採点がわからない場合は、プロ家庭教師の添削も受けられます。プロの指導を受ければ、早く書けるようになります。

過去問 東京都立 記述 将来

文部科学省の学習指導要領では、思考力・表現力が重視されていますので、今後もさまざまな試験で記述問題が出てくるでしょう。

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