【プロ家庭教師 国語担当】
担当した段階で、知識問題の漢字(学習用漢字)は、ひととおり書けていました。父親からは「勉強をまったくしない子」という触れこみ触れこみでしたが、さすがに「まったく」ということはありませんでした(笑)。文字については、男の子にありがちな走り書きでしたが、小学6年生から担当し、Tくんの解答速度を殺したくなかったので、矯正はしませんでした。もし小学3年生から担当してたら、文字をていねいに書くように矯正したかもしれません。
読解問題では、問題を解くことも大事ですが、登場人物がなぜそのような感情を抱くようになったのか、感情と理由を合わせて考えるように指導しました。
中学受験の国語文章は、小学生でも理解できる世界観が採用されやすいですが、いわゆる「家族もの」の文章では、気を遣いました。事前に父親とも約束した通りに、「両親」や「父母」という言葉を用いないようにし「保護者」という言葉に統一しました。
その他には、Tくんの喉が弱かったので、文章はあえて素読(そどく 文章を声に出して読み上げること)させました。目で文章の追うことと、声で文章を読み上げることは、別ものだと思います。
【プロ家庭教師 算数担当】
担当してすぐにお伝えしたのは「全ての問題を解く必要はない」ということです。進学塾の経営はマニュアル化されており、あらゆる生徒に対応できるようにテキストは肥大化しています。低学力の生徒にも高学力の生徒にも、同じテキストを販売しようとします。テキストのすべての問題を解いていては、学習時間がいくらあっても足りませんので、毎回、学習範囲を指定しました。
Tくんへの教授法は、予習型を選びました。テキスト範囲を指定して、あらかじめ解いてきてもらい、授業では「解けなかった問題だけを解説」するようにしました。Tくんは受身でいることが苦手で、自分がすでに理解している問題を、先生からあらためて解説されるのを嫌がりました。体験授業でも、「自分がもう
わかっている問題」では退屈な欠伸をしていましたので、予習型を選びました。
最終的には、慶応普通部の過去問の算数は、すべて解けるようになりました。慶應附属校は難関と言われていますが、偏差値よりも問題の質を見ると、中学受験の定石に忠実です。やみくもに頭の回転の速い子供を入学させるよりも、育ちの良い名家の子供を入学させる方針なのかもしれません。
【プロ家庭教師 理科担当】
理科は最後まで足を引っ張りました。4分野(物理・化学・生物・地学)のうち、化学と物理は、計算問題が得点できていましたが、「生物と地学の暗記科目は壊滅」という状況でした。
暗記科目が苦手な子どもは、そもそも暗記の仕方を知らないので、授業中に暗記特訓をしました。Tくんは「知識をただ覚えさせようとすると反発する」ので「知識の論理構造をまず解説」して、それから暗記するように指導しました。
模試は、サピックス模試ではなく四谷大塚模試(合格不合格判定テストのこと)を選ぶように、父親を説得しました。サピックス模試は、
御三家などの難関向けだと思います。少なくとも「理科の計算問題はオーバースペック」だと思います。四谷大塚模試の成績上位者であれば、充分に慶應普通部は合格できると思います。
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