古典文法の助動詞で、推定の助動詞「なり」と断定の助動詞「なり」の解説です。助動詞「なり」の意味・接続・活用を、学習します。
助動詞(じょどうし)とは、用言の後におき、意味を追加する品詞です。助動詞「なり」は、2種類あり、推定と断定の意味を、それぞれ追加します。
例えば、動詞「行く」の後に、助動詞「なり」をおくと、「行くなり」となり、推定の意味が、追加されます。「行くなり」は、現代日本語では「行くようだ」と訳します。
例えば、動詞「出づ」の後に、助動詞「なり」をおくと、「出づるなり」となり、断定の意味が、追加されます。「出づるなり」は、現代日本語では「出るのだ」と訳します。
助動詞は、接続します。接続(せつぞく)とは、前にある言葉に影響して、相手の活用語尾を変化させることです。
推定の助動詞「なり」は、終止形接続(しゅうしけいせつぞく)です。
断定の助動詞「なり」は、連体形接続(れんたいけいせつぞく)です。
助動詞は、活用します。助動詞「なり」は、推定の場合と、断定の場合で、活用が異なります。
推定の「なり」は、「〇」「なり」「なり」「なる」「なれ」「〇」と、活用します。
断定の「なり」は、「なら」「なり・に」「なり」「なる」「なれ」「なれ」と、活用します。
活用形 | 語幹 | 推定のなり | 断定のなり | 識別方法 |
未然形 | ー | ー | なら | ずを付ける |
連用形 | ー | なり | なり・に | てを付ける |
終止形 | ー | なり | なり | 。を付ける |
連体形 | ー | なる | なる | 物を付ける |
已然形 | ー | なれ | なれ | ばを付ける |
命令形 | ー | ー | なれ | !を付ける |