【気候変動枠組条約 問題 解説】
【気候変動枠組条約 問題1 解説】
気候変動枠組条約では、地球の温暖化を防止するために、温室効果ガスを定めています。以下の気体のうち、温室効果ガスはどれですか。気体名をすべて書きなさい。
酸素 ($O_2$)は、物を燃やす性質(助燃性)がありますが、温室効果はありません。
二酸化炭素 ($CO_2$)は、温室効果があります。空気は混合物で、窒素($N$)が78%、酸素($O_2$)が21%、アルゴン($Ar$)が0.9%、二酸化炭素($CO_2$)が0.03%、それぞれ混ざっています。炭素の割合が0.01%増えるだけでも、温室効果があるので、驚きですね。
二酸化炭素の測定単位としてppm(Parts Per Million ピーピーエム)という単位もあります。ppmは「百万分の一」という意味です。300ppm=0.03%、400ppm=0.04%です。
オゾン ($O_3$)は、温室効果がありません。オゾンは間違えやすい気体です。なぜなら、二酸化炭素とオゾンはともに「環境問題」として、生徒に紹介されるからです。どちらがどちらか、誤解しやすいです。オゾンは「太陽からの有害物を守る気体」ですので、温室効果とは無関係です。
水素 ($H_2$)は、温室効果がありません。水素はもっとも軽い気体で、熱をあまり貯めることができません。
メタン ($CH_4$)は、温室効果があります。科学用語としては「メタン」ですが、一般用語としては「家のガス」という製品名で知られています。住宅用のガスには、メタンが多く含まれています。
ヘリウム ($He$)は、温室効果がありません。ヘリウムは、水素の次に軽い気体で、燃えにくいという特徴があります。
【気候変動枠組条約 問題2 解説】
大気中の二酸化炭素を増やす活動を、以下からすべて選びなさい。
ア 火力発電をして、電気を生産すると、二酸化炭素が増えます。火力発電は、原油を燃やすので、二酸化炭素が発生します。
イ 原子力発電をして、電気を生産すると、二酸化炭素は増えません。
ウ 森林伐採をして、薪(まき)を燃やすと、二酸化炭素が増えます。薪には炭素が含まれいて、燃焼によって、二酸化炭素が発生します。
エ 鉱山開発をして、金属を採掘すると、二酸化炭素は増えません。
オ 化学工場で、プラスチックを生産すると、二酸化炭素が増えます。プラスチックの原料は、原油です。原油を加工すると、二酸化炭素が発生します。
【気候変動枠組条約 問題3 解説】
二酸化炭素の排出量の多い国は、いくつかに分類できます。
中国とインドは、単純に人口規模が大きいので、それだけ二酸化炭素の排出量が多くなっています。
アメリカは、人口1人当たりの二酸化炭素の排出量が多くなっています。アメリカはエネルギー消費量が多く、他国で生産された製品を多く輸入していますので、輸入を考慮すると、二酸化炭素の排出量はもっと多くなると考えられています。
日本とドイツは、自国内で製品を加工する時に、二酸化炭素が排出されています。完成した製品は、他国へ輸出されるので、輸出を考慮すると、二酸化炭素の排出量はもっと少なくなると考えられています。
サウジアラビアとイランは、自国で安価な原油を調達できるので、自家消費による二酸化炭素排出量が多くなっています。
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