非認知能力 基本

非認知能力 基本

非認知能力 基本

非認知能力 基本

プロ家庭教師による心身発達の研究で、学習と非認知能力のまとめです。

非認知能力(non-cognitive skills)とは、計画力・実現力・主体性・忍耐力・自制心・協調力などです。非認知能力に対して、伝統的な学力・IQは、認知能力(cognitive skills)と呼ばれています。

生徒の非認知能力が向上すれば、合わせて学力も向上することがわかっています。非認知能力は特定の科目ではなく、むしろ国語・数学・英語・社会・理科などのすべての科目の土台となる学習能力です。

したがって、プロ家庭教師が生徒の学力を上げるためには、生徒も合わせて非認知能力の理論を学んだほうが良いでしょう。生徒がより効率的に学習できるようになるはずです。さらに、非認知能力を高めるためのテクニック・ノウハウ・メソッドを学びましょう。

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非認知能力 基礎知識ガイド

Q:非認知能力とは、何ですか?
A:非認知能力(non-cognitive skills)とは、計画力・実現力・主体性・忍耐力・自制心・協調力などです。伝統的な学力・IQ以外の認知能力をまとめて呼びます。

Q:非認知能力の反対の、認知能力とは何ですか?
A:認知能力(cognitive skills)とは、学力・IQなどのように数値化しやすい能力です。20世紀の教育が数値化してきたいわゆる伝統的な能力です。

Q:非認知能力について、脳の3層仮説とは何ですか?
A:脳の3層仮説(Triune Brain Theory)とは、人間の脳を、爬虫類脳・哺乳類脳・人間脳に分け、人類は進化とともに、爬虫類能・哺乳類脳・人間脳を獲得したという仮説です。
アメリカの神経生理学者ポール・マクリーン(Paul MacLean)が提唱しました。議論としては厳密ではありませんでしたが、脳の多元性を直観的に理解するための比喩として、現在でも用いられています。

Q:非認知能力について、マクリーンの爬虫類脳とは何ですか?
A:マクリーンの爬虫類脳(reptilian brain)とは、攻撃・侵略・服従・求愛などを司ります。脳の反射本能を担当します。

Q:非認知能力について、哺乳類脳とは何ですか?
A:マクリーンの哺乳類脳(paleomammalian brain)とは、知覚・快・不快・短期記憶・意欲・集団行動などを司ります。脳の情動判断を担当します。

Q:非認知能力について、人間脳とは何ですか?
A:マクリーンの人間脳(Neomammalian brain)とは、言語・理性・思考力・映像・空間認識力・創造力を司ります。脳の高次機能を担当します。

Q:非認知能力は、何の役に立つのですか?
A:非認知能力の向上は、認知能力の向上に結びつくと考えられています。主体的に学ぶ力・計画性・すぐにあきらめない継続力・自制心などは、現代社会で能力育成のためには大事な能力です。

Q:非認知能力は、勉強の役に立つのですか?
A:勉強にも役に立ちますし、仕事にも役に立ちます。非認知能力を向上すると、進学・年収・キャリアなどに良い影響があることがわかっています。非認知能力は、認知能力の土台と考えるとわかりやすいです。


【参考文献】

非認知能力と学力の結果の分析
保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究, 国立大学法人お茶の水女子大学, 2018


脳の機能分類
三つの脳の進化 ポール・D・マクリーン
The Triune Brain in Evolution: Role in Paleocerebral Functions 



非認知能力の実証研究
ジェームズ・ジョセフ・ヘックマン 幼児教育の経済学
James Joseph Heckman Giving Kids a Fair Chance

非認知能力 技術実践メソッド

Q:非認知能力は、どのように育成するのですか?
A:協働学習・部活動・物作り・発表などが、非認知能力の向上に役立ちます。伝統的な座学だけではなく、さまざまな活動が研究されています。

Q:非認知能力について、手書きは効果がありますか?
A:手書きには、空間認知・リズム感・器用さ・美的感覚・忍耐力・集中力の向上があると考えられてます。西洋と異なり、日本には書道の伝統がありますので、手書き学習がしやすい環境にあります。また、若年時のスマートフォンやタブレットやノートパソコンの利用は、手書きという身体技術の弱体化する危険性が報告されています。

Q:非認知能力について、レジリエンスとは何ですか?
A:レジリエンス(resilience)とは、人間の心の耐久力のことです。現代社会には多くのストレス・プレッシャーが存在し、レジリエンスを向上させることで、対処しやすくなると考えられています。教育の負の効果であるいじめ・無力感・挫折感などへは、どのように対処すべきなのか統一された見解がなく、研究課題となっています。


【参考文献】

手書きについて
東京書芸協会
Markus Kiefer. Handwriting or Typewriting. 2015.
Susan Payne Carter. The Impact of Computer Usage on Academic Performance. 2016.


入門書
ポール・タフ 私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み格差に挑む
Paul Tough Helping Children Succeed: What Works and Why

非認知能力 理論研究ラボ

Q:非認知能力について、どのような基礎研究があるのですか?
A:非認知能力について、経済学者のジェームズ・ジョセフ・ヘックマン(James Joseph Heckman)教授の研究が有名です。高品質な幼児教育によって、将来所得の向上や生活保護受給率の低下ができると主張しました。

Q:非認知能力で、脳科学はどのような用語で議論されているのですか?
A:非認知能力の研究では、脳科学の以下のような用語が用いられます。

brain stem 脳幹(のうかん) 生命活動・呼吸・消化・血圧
basal ganglia 大脳基底核(だいのうきていかく)
insula 島(とう)
corpus striatum 線条体(せんじょうたい) 学習機能に影響

cerebellum 小脳 運動制御・感覚認知

cerebrum 大脳
cerebrum cortex 皮質(ひしつ)
cerebral hemisphere 大脳半球
limbic system 大脳辺縁系(だいのうへんえんけい) 情動・記憶
hippocampus 海馬(かいま) 長期記憶の形成
amygdala 扁桃体(へんとうたい) 情動の安定

occipital lobe 後頭葉 視覚
temporal lobe 側頭葉 言語・記憶・聴覚
medial temporal lobe 側頭葉内側部 記憶

parietal lobe 頭頂葉(とうちょうよう) 体性感覚・圧力・温度

frontal lobe  前頭葉(ぜんとうよう) 計画性・問題解決・情動
inferior frontal lobe 前頭葉下部

corpus callosum 脳梁 右脳左脳の中継


Q:非認知能力で、脳梁の役割は何ですか?
A:脳梁(のうりょう)は脳の中心にあり,右脳と左脳をつなぐ働きをしています。脳梁を切ってしまうと,右脳と左脳の間の神経線維の連絡が断たれて,バランスよく働かなくなります。脳梁には男女差があり、女性は脳梁が太く、男性は脳梁が細いことがわかっています。

Q:非認知能力で、小脳の役割は何ですか?
A:小脳は、運動に加えて、感覚・認知に影響していると考えられています。

Q:非認知能力で、小脳に損傷があると、どのような症状があるのですか?
A:小脳に損傷があると、運動能力・図形の見分け・音の聞き分け・物事の計画などに影響があると、研究で判明しています。

Q:非認知能力で、小脳はADHDと関係があるのですか?
A:ADHD児童は、小脳が未発達であり、関係が研究されています。小脳の発達を促すカリキュラムによって、ADHDの症状が緩和される可能性があります。

Q:非認知能力で、脳には男女差があるのですか?
A:脳の男女差として、脳の重さと脳梁の太さがあります。脳の重さは、男性が重く、女性が軽いです。脳梁の太さは、女性が太く、男性が細いです。

Q:非認知能力で、運動は脳のどの領域が司るのですか?
A:運動を司るのは、小脳です。小脳は、運動に加えて感覚・認知に影響していると考えられています。


【参考文献】

非認知能力の実証研究
ジェームズ・ジョセフ・ヘックマン 幼児教育の経済学
James Joseph Heckman Giving Kids a Fair Chance


脳科学の基礎研究
ルドルフ・ジナス. 運動の小脳による制御. 1981.
Rodolfo Llinás. Cerebellar Control of Movement
. 1981. 

ジェームズ・メイソン・ボウア. 小脳の知られざる役割. 2003.
James Mason Bower. Rethinking the Lesser Brain. 2003.

F. Xavier Castellanos. Developmental Trajectories of Brain Volume Abnormalities in Children and Adolescents With Attention Deficit Hyperactivity Disorder. 2002.

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