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記憶 基礎知識

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記憶 基礎知識

記憶 基礎知識

プロ家庭教師による心身発達の研究で、学習にまつわる記憶の基礎知識をまとめています。

勉強していると、記憶力が良くなりたいと思うようになります。学習とは、良質な長期記憶を編むことで、物事を記憶して、未来に再び活用できるようにしておく仕組みと考えられます。あなたの記憶力が上がれば、国語・数学・英語・社会・理科などの科目すべてで、得点が上がりやすくなります。

したがって、プロ家庭教師が生徒の学力を上げるためには、生徒も合わせて記憶理論を学んだほうが良いでしょう。生徒がより効率的に学習できるようになるはずです。さらに、記憶理論をより現実的な場面に適用する記憶術についても解説していきます。

記憶力を高めるためのテクニック・ノウハウ・メソッドを学びましょう。

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記憶 基礎知識 記憶理論

記憶理論

Q:記憶は、どのような種類があるのですか?
A:人間の記憶力を理解するために、さまざまな分類型が提唱されています。有名な記憶分類を、以下にまとめておきます。

有名な記憶分類
短期記憶ー長期記憶
条件反射ー習慣記憶
宣言的記憶ー非宣言的記憶
手続き記憶ー身体記憶
単純記憶ー物語記憶
感覚記憶ー空間記憶


Q:記憶理論で、短期記憶ー長期記憶とは何ですか?
A:短期記憶(Short Term Memory)とは、一時的な記憶です。例えば、2週間前の食事は、短期記憶です。食事したときには記憶していても、2週間経過した現在では、食事の内容を思い出すことができません。

長期記憶(Long Term Memory)とは、時間が経過しても思い出せる記憶です。例えば、あなたの住所や電話番号は、長期記憶です。時間が経過しても、忘れることはありません。住所や電話番号をいきなり聞かれても、あなたは答えられるはずです。ところが、2週間前の食事は、長期記憶なので、答えられないでしょう。

短期記憶ー長期記憶の理論から、学習では短期記憶ではなく、長期記憶を目指すべきでしょう。一夜漬けで覚えた短期記憶と、コツコツと復習して覚えた長期記憶では、学習の質に差があると考えられます。


Q:記憶理論で、条件反射ー習慣記憶とは何ですか?
A:条件反射(Conditioned Reflex)とは、生物への刺激反射の関係を活用した記憶で、脳の原始的な領域が用いられます。パブロフとスキナーなどの行動主義心理学で研究が進みました。

習慣記憶(Habitual memory)とは、習慣化した記憶です。多くの場合、無意識の行動に反映されます。例えば、メディアの視聴習慣は、習慣的記憶と考えられています。教育学では、メディア依存の研究も進んでいます。

条件反射ー習慣記憶の理論から、生活習慣も、記憶の一部と考えることができます。学習と生活を一体化して考える視点から非認知能力も研究されています。


Q:記憶理論で、宣言的記憶ー非宣言的記憶とは何ですか?
A:宣言的記憶(Declarative Memory)とは、物事を言語として表現し、意識的に制御できる記憶です。宣言的記憶は、試験により確認することができます。例えば、漢字テストは、宣言的記憶を確認するテストです。
宣言的記憶は、陳述的記憶とも呼ばれます。

非宣言的記憶(Nondeclarative Memory)は、宣言的記憶以外をまとめた呼称です。無意識に利用される記憶で、身体技術・習慣・経験も含まれます。非宣言的記憶は、実技により確認することができます。例えば、体育の水泳テストは、非宣言的記憶を確認するテストです。

宣言的記憶と非宣言的記憶は、平行して機能します。例えば、犬に噛まれる出来事では、犬に噛まれた出来事の記憶(宣言的記憶)と犬を恐れる無意識の恐怖の記憶(非宣言的記憶)として、異なる記憶として保存されます。



【重要表現】
短期記憶 Short Term Memory
長期記憶 Long Term Memory
条件反射 Conditioned Reflex
習慣記憶 Habitual memory
宣言的記憶 Declarative Memory
非宣言的記憶 Nondeclarative Memory
空間記憶 Spatial Memory
自伝的記憶 Autobiographical Memory
ニューロイメージング Neuroimaging



【参考文献】
記憶理論
Daniel, L Schacter. "The Evolution of Multiple Memory Systems".
Larry, Squire R. "Memory and Brain Systems: 1969–2009".
パブロフ 条件反射 解説原文


学力と生活習慣
国立大学法人お茶の水女子大学. "平成29年度学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究". 2018.


記憶 基礎知識 記憶研究

記憶研究

Q:記憶の研究は、いつから行われているのですか?
A:記憶の研究は、遥か昔から行われていました。古代の授業では、すでに私たちが用いているような記憶術が存在していました。記憶術とは、例えば「鳴くよウグイス平安京」という語呂合わせで「794年に平安京に遷都」と効率よく記憶する技術のことです。

初期の記憶研究は、哲学・教育学・言語学などが先導していましたが、思索的で、伝統的な経験法則でした。近代科学の登場と現代的な実験設備によって、記憶の研究は心理学・生物学が先導するようになりました。

科学的な記憶の研究は、第二次世界対戦以降に、発展しました。例えば、1967年に京都大学霊長類研究所が、1969年に北米神経科学学会(Society for Neuroscience 略称SfN)が創立されています。

21世紀にはコンピューターの発展により、新しい手法での記憶研究が活発になっています。


Q:記憶の研究で、どのような実験動物が用いられているのですか?
A:記憶の研究のための実験動物として霊長類(Primates)・アメフラシ(Aplysia)・ショウジョウバエ(Drosophila)が有名です。単純な神経を持つ動物は、単純な記憶研究に、複雑な神経を持つ動物は、複雑な記憶研究に用いられる傾向があります。

Q:記憶の研究で、ニューロイメージングとは何ですか?
A:ニューロイメージング(neuroimaging)とは脳活動を画像で見えるようにする技術です。電磁力の変化を計測する技術や、血流の変化を計測する技術があります。

Q:記憶の研究で、HMとは誰ですか?
A:HM(エイチエム)とは、事故により脳の一部分が除去された人物で、有名な記憶研究の被験者です。HMの実験参加により、以下の知見が明らかとなり、記憶研究が発展しました。

HMの知見

1 記憶は独立した脳機能である。
2 映像の短期記憶には、内側側頭葉は必要がない。
3 内側側頭葉を除去されても、HMの子供時代の記憶は保全されていた。
4 記憶の最終的な保存場所は、内側側頭葉ではない。

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