用語:ローマ字 (ろーまじ)
教材:日本語ローマ字表記 ヘボン式+訓令式 PDFプリントダウンロード
意味:ローマ字とは、アルファベットの別名です。ローマ字表記とは、日本語をアルファベットで表記することです。例えば「お米」のローマ字表記は「okome」となります。漢字・ひらがな・カタカナのわからない外国人でも、アルファベットなら理解できる場合、日本語をローマ字表記に変えて、伝えることができます。
語感:どちらも かため やわらかめ
例文:
日文:外国の方のために、住所は、ローマ字でも、書いてあります。
解説:ローマ字とは、「ローマ帝国の文字」のことです。古代のローマ帝国では、アルファベットが用いられていました。したがって「アルファベット=ローマ帝国の文字=ローマ字」と、おおまかに考えて大丈夫です。ローマ帝国が滅亡した後、ローマ字は、イギリス・ドイツ・フランス・イタリアなどの西洋諸国へと継承されていきました。ローマ字の日本伝来は、戦国時代で、西洋文明と合わせてローマ字も伝来しました。日本語をローマ字表記した「天草版イソップ物語」が執筆されています。日本語をローマ字にする時には、発音の問題がありました。例えば、ひらがなの「し」は、ローマ字で「shi」と書くべきか、あるいは、ローマ字で「si」と書くべきなのか、決定できませんでした。江戸時代の終わり頃、ジェームスヘボン(James Hepburn)が「ヘボン式ローマ字」を開発し、ひらがなの「し」は、ローマ字で「shi」と書くようになりました。その後、日本政府が「訓令式ローマ字」を発表し、ひらがなの「し」は、ローマ字で「si」と書くように指導しました。ヘボン式と訓令式は、しばらく両立していましたが、現在では、多くの日本語教材でヘボン式を採用しています。その理由は、ヘボン式の方が、訓令式よりも、発音を直観的に理解しやすいからだと考えられます。パスポートでは、原則としてヘボン式によって、日本人の名前をローマ字併記しています。ローマ字は、漢字による当字で「羅馬字」と書き、「羅」と省略される場合があります。
ヘボン式と訓令式の違いまとめ:
仮名 | ヘボン式 | 訓令式 |
---|
し | shi | si |
ち | chi | ti | |
つ | tsu | tu |
ふ | fu | hu |
じ | ji | zi |
しゃ | sha | sya |
しゅ | shu | syu |
しょ | sho | syo |
ちゃ | cha | tya |
ちゅ | chu | tyu |
ちょ | cho | tyo |
語源:ラテン語 Rome (ローマ)
+ 漢語 字
⇒ ローマ字
類義:エービーシーで書く ABCで書く アルファベット表記 アルファベット
書き
対義:仮名書き
体系:知識 (ちしき)
> 言語 (げんご)
> 日本語 (にほんご)
> 文字 (もじ)
> 平仮名 (ひらがな) + 片仮名 (かたかな) + 漢字 (かんじ)
+ ローマ字 (ろーまじ)
英語:Roman script (ローマンスクリプト)
Latin script (ラテンスクリプト)
韓語:로마자 (ロマジャ)
中語:羅馬字 罗马字 (ローマ―ツー)
日本語ローマ字の歴史:
年代 | 事項 |
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1930(昭和05)年 | 文部省 臨時ローマ字調査会 設置 |
1937(昭和12)年 | 訓令式ローマ字 内閣訓令第三号公布 |
1945(昭和20)年 | GHQ ヘボン式の公用を指示 |
??年 | 外務省が旅券(パスポート)の人名をヘボン式で表示 |
1954(昭和29)年 | 訓令式ローマ字 更新 内閣告示第一号 |
1937年と1954年の訓令式ローマ字にはわずかな違いがあります。