教育経済用語解説

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プロ家庭教師による教育経済用語集です。教育機関(学校・大学・専門学校・塾・家庭・出版社・情報産業)の業界用語を解説しています。

教育を巡る経済社会状況を、制度・歴史・学術・研究・財務・教育費などの面から見ることで、より良く理解できるようになります。

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教育経済用語 基礎知識

基礎知識


Q:教育経済で、家庭環境と子どもの学力にはどのような関係があるのですか?
A:いくつかの調査から、家庭環境と子どもの学力には相関関係が認められています。生活習慣(早起き・朝ごはん)・メディア習慣(テレビ・ゲーム・携帯電話・インターネットの統制)・学習計画(ルール設定・スケジュール設定)・保護者の教養(絵本の読み聞かせ・読書率・保護者の学習習慣)などが、子供の学力と正の相関関係があります。

Q:教育経済で、SESとは何ですか?
A:SES(Socio-Economic Status)とは、社会経済地位と訳されます。世帯年収・保護者学歴・家庭環境などがSESに含まれ、社会階層分析に用いられてます。

Q:教育経済で、学校基本調査とは何ですか?
A:学校基本調査(がっこうきほんちょうさ)とは、日本の学校の基礎調査で、1948年から実施されています。学校数・生徒数・教員数などを集計しています。

Q:教育経済で、全国学力・学習状況調査とは何ですか?
A:全国学力・学習状況調査とは、文部科学省が実施している社会調査です。調査対象は2017年が小学6年生6万人・中学3年生7万人となります。生徒学力調査に加えて、家庭環境調査も合わせて実施しています。世帯年収(親の年収)・保護者学歴・保護者意識・家庭環境などが、子供の国語・算数の学力と相関関係にあると判明しています。世帯年収200万円の家庭の子供は、世帯年収1200万円以上の子供と比べて、算数の正答率が半分以下となっています。


Q:教育経済で、日本国の一般会計とは何ですか?
A:一般会計(いっぱんかいけい)とは、いわゆる日本の国家予算です。内閣による閣議決定を経て、国会で成立する予算です。日本の公教育予算は、この一般会計予算に基づきます。一般会計予算は以下のように年度推移しています。

年度予算額特徴
2019年101.4兆100兆円台



Q:教育経済で、文教科学予算とは何ですか?
A:文教科学予算(ぶんきょうかがくよさん)とは、一般会計のうち、教育と科学技術のための予算です。日本の教育投資の金額が確認できます。文教科学予算は、正確には、文教及び科学振興費と呼びます。

年度予算額特徴
2019年5兆3824億幼児教育無償化



Q:教育経済で、文部科学省の概算要求とは何ですか?
A:文部科学省の概算要求(がいさんようきゅう)とは、年度ごとに、文部科学省が財務省に対して、要求する予算です。




【参考文献】

教育格差の社会学




財務省予算

教育経済用語 人的資本

人的資本

Q:教育経済で、人的資本とは何ですか?
A:人的資本(じんてきしほん)とは、は経済学の資本の概念を、人間の能力に適用した用語です。経済学の視点では、教育を、未来の価値を生むための投資活動と考えます。例えば、教育・習い事・健康・文化活動などを人的資本へ投資すれば、投資された人的資本の蓄積によって、個人の知識・技術・経験・健康などが増進し、個人の財・サービスの生産能力が向上します。結果として、個人所得と社会厚生が増加し、投下資本が回収されます。このように、ビルやダムへのインフラ投資のように、人間の能力への投資を、人的資本という言葉で説明しています。人的資本は、教育が人間への投資である点を明確にします。なお、人的資本は Human Capital の訳語です。

Q:教育経済で、労働市場における完全雇用とは何ですか?
A:完全雇用とは、働く意思と能力がある人間が、全員仕事に就けている状態です。完全雇用は、経済政策が目指す理想の1つです。
ジョン・メイナード・ケインズは、失業を3種類に分類しました。自発的失業・摩擦的失業・非自発的失業です。自発的失業には、専業主婦・専業主夫・ニート・ひきこもりなど、そもそも勤労意欲がない人間が含まれます。非自発的失業には、働く意欲があるのに、働く機会が与えられない人間が含まれます。1929年の世界大恐慌では、失業は個人の責任ではなく、行政の介入によって失業者を救済すべきと考えられるようになりました。完全雇用の測定のために、以下の統計が有名です。

総務省統計局(Statistics Bureau of Ministry of Internal Affairs and Communications)
中国国家統計局(National Bureau of Statistics of China)
シンガポール統計局(Department of Statistics Singapore)
オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics)
サウジアラビア中央統計局(The General Authority for Statistics)
イギリス国家統計局(Office for National Statistics)
アメリカ労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)


【参考文献】
人的資本―教育を中心とした理論的・経験的分析 ゲーリー・ベッカー (著), 佐野 陽子 (翻訳)


Human Capital: A Theoretical and Empirical Analysis, With Special Reference to Education Gary S. Becker (著)

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