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俳句 季語 初桜 サクラ


【俳句】:初桜 一年分の 深呼吸
【仮名】:はつざくら いちねんぶんの しんこきゅう
【英訳】:The first cherry blossom Takes a breath Year long breath
【季語】:春
【解説】:初桜(はつざくら)は、春の季語です。もし桜を好むのであれば、桜の姿を注意深く観察すべきです。桜は、咲いているものだけが、桜ではありません。

まだ桜が咲いていない枝には、冬芽がすで配備されています。冬芽は、桜そのものではなく、桜の予感です。

同じように、もう桜が散った枝には、切断された花弁が横たわっています。切断された花弁は、桜そのものではなく、桜の余韻です。

桜を好むのであれば、桜の満開に加えて、桜の予感も桜の余韻も、好むように努めます。そうすれば、俳句も上手くなるはずです。なぜなら俳句の基本はものをていねいに見つめることにあり、私たちはものの予感も余韻もを、気配も気合も、表情も無情も、認識することできるからです。

桜のさまざまな姿について、吉田兼好は、700年前に、以下のように指摘しています。

徒然草137段: 花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは(花は満開だけを、月は満月だけを見るものだろうか。いや、そうではない)

徒然草137段: 咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ(今にも咲きそうな梢や、花が散ってしおれている庭などにこそ、見るべきものがたくさんある)

兼好は、花の満開だけではなく、花の予感や花の余情も、見所があると指摘しているのではないでしょうか。
散った桜の余韻が、これから咲くべき桜の予感へと、輪廻のように巡りあうのが、初桜です。

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