【俳句】:ドスコイと 風は唱える 初不動
【仮名】:ドスコイと かぜはとなえる はつふどう
【英訳】:A naked brother Slaps his belly The wind song
【季語】:冬
【解説】:初不動は、冬の季語です。仏教には不動明王(愛称=お不動さん)という神様がいて、変化しないこと(不動)を願うそうです。人間には変化したい気持ちと、変化したくない気持ちが共存しているようで、不動心は変化したくない気持ちに含まれています。
不動心が描かれる物語として、仏教説話の不動明王と、フランス恋愛小説のシェリがあります。不動明王は、ある精神状態を欲望し、シェリの主人公であるレアは、ある人間関係を欲望します。
「欲望の対象はモノだ」という経済学の命題は、どこかで限界があるのでしょう。われわれはモノ以外も欲望する性質を持っています。
さらに、人間にさまざまな欲望があるだけではなく、欲望そのものを描写するために、さまざまな言葉があります。
欲望(desire)・欲求(needs)・リビドー(libido)・需要(demand)・煩悩(addiction)・願望(will)・希望(hope)・意欲(motivation)・悲願(wish)・野望(ambition)・構想(vision)・夢想(dream)などがあります。資本主義(capitalism)・共産主義(communism)も、人間の欲望を駆動するために発明された制度です。
年始めに気が緩んだ時に、晴れた冬空のもと、不動尊にお参りし、気合いを入れる行事が、初不動です。